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第九話 やっぱりバトルは避けられない

話によって文字数がマチマチですね

 足を踏み入れた瞬間、悪寒がして、背中に、嫌な汗が流れる。

ーーーボコッ…ーーー

洞窟の地面が盛り上がり、人の形になっていく。

眼と思わしき部分が、怪しく光る。

 本能が、警告を鳴らしまくっている。それほどまでに、こいつはやばい。

 岩魔人が、目を細め、口を開く。

「ほう、こんな奥地に、ニンゲンとはな...」

まずいな、これは…

 俺はこの魔物を知らない。一応、魔物大全の内容は、全て頭に入れているが、その俺が知らない魔物ということは、S級の中でも上位、もしくは、G級以上。G級以上になってくると、発見しても、無事に人里に戻れる確率が低く、文献は少ない。

 つまるところこいつは、まだ人が知らない、未知の魔物だ。

「お前は...誰だ」

「クク... 我と口を聞くとは、面白い。まずは、汝が名乗るに値するか、確かめさせてもらうとしよう!」

その瞬間、岩魔人が視界から消える。

咄嗟に玄武化で全身を固めた瞬間、胸部に、土の弾丸が直撃。

「マジかっ...」

こいつ、土魔法を使ってきやがる…!

技自体は、初級か中級くらいだが、速度が、半端じゃない。こんなのが生身の人間に当たったら、容易く貫通してしまう。

「これで死なぬとは... クク...いいぞニンゲン!」…まずい、こっちも応戦しないと、直ぐに蜂の巣になっちまう!

「タービュランス ディメント!」

 俺を中心に、全方位に風の刃が形成され、ランダムな方向に飛んでいく。

「ククク...風の刃を全方位に飛ばすとは..考えたものだ」

が、岩魔人に効いている様子は無い。

「面白い、我が名は、デルタス! この地に宿りし岩石の呪怨なり!」

「俺は、フユツキ・トウマ、その生意気な口を、叩き割る男だ!」

「言ってくれる...クク...」

不気味な嗤い声が、洞窟内にこだましていた。



 ・・・・マズイ。さっきから、デルタスの姿が見えない。

ーーバキッーー

 そんなことを考えてる間にも、弾丸が飛んでくる。

「そんなものか!汝の力は!」

デルタスが、岩を拳に纏わせ、殴る。

「かはっ……」

 土魔法も、かろうじて耐えているが、このままじゃジリ貧だ。

「使うっきゃないか...」

 呼吸を整え、意識を集中させる。

「身体強化.眼魔!」

 身体強化・眼魔は、身体強化を、目に施すことで、思考加速には劣るものの、一時的に思考加速とほぼ同じ状態になる。が、見えるだけで、時間の流れが変わるわけではない。

デルタスの姿がかろうじて見えた。それと同時に、ものすごい頭痛がし、思わずよろける。が今倒れるわけには行かない。

なんとか踏ん張りデルタスを殴る。

ーガキンッーー

甲高い金属音がする。

「チッ...手応えなしかよ」

「その程度で、我が砕けるとでも?笑わせてくれる!」

デルタスが、魔法を放つ。

地面が盛り上がり、無数の棘になる。

「ぐっ⋯」

玄武化でなんとか耐え、玄武化で、自分の周りの棘を砕く。そして一ー

「おりゃぁぁぁ!!」

一気に距離を詰め、思いっきり殴る。

ーーバキッーー

デルタスの腹にヒビが入る。

「まだ足りねえのかよ!」

「いや、ここまで傷を入れたのは、汝が初めてだ!」


デルタスの気配が変わる。ついに本気を出すようだ。

「さらばだ!愚かなるニンゲンよ!」

地面が先ほどより大きい棘になる。

「またかっ…」

 すかさず跳んで逃げるが、上には、5mを超える岩が。

「やべっ!…」

このままじゃ、潰れて死ぬ!

「クソがぁ!」

「ストーム・カッター!」

巨大岩に向けて、風魔法を放つ。

ーーその瞬間、風の刃が黒く染まる。ーー

 黒く染まった原因はわからないが、今はそんな状況じゃない。

「行けぇぇぇ!!!」

ーーザンッ!ーー

 黒く染まった風の刃が、岩を二つに断つ。すかさず着地するところの棘を砕き、デルタスに向けて、風魔法を放つ。

「ウィンドミル・ゲイル!」

空中に十字型の風の刃が現れ、黒く染まる。

デルタスが、真っ二つに分かれる。切ったところから、どす黒い瘴気が溢れ出す。

「まさか…ニンゲンに屠られるとは...クク、面...白...い」

そのまま落下し、デルタスの死骸が砕ける。

「勝て...た...ハァ...ハァ...」

デルタスには勝ったが、今はこれ以上動けそうにない。

「寝る...か」


実は、デルタスを殴った時の音とデルタスの弾丸が当たった時の音が文字的におんなじなんですよね

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