第八話 杖作り其のニ
「ふぅ・・・やっとか」
ここまで来るのに2日かかった、目の前には、おぞましい魔力を放つ洞窟が。中は暗すぎて、5m先がやっと見えるくらいだ。
ワクワクしてきた……
いざ、洞窟探検へ!
*
「はぁ...」
意気込み十分で洞窟には入った俺だが、2時間もすると、変わらない光景と、ジメッとした空気で、テンションは下がる。おまけに魔鉱石が全く見当たらない。
「魔鉱石が全然ない...」
なんか悲しくなってきた。
魔鉱石は、洞窟の壁にくっついてて、微かに発光してるらしいんだが、それが全然見つからない。さっきから魔物には、何回か遭遇してるんだが、全体的に、石っぽかったり、虫っぽかったりして、食べられそうにない。森でのサバイバルみたいに、そう一筋縄じゃ行かないよな、やっぱり。
まぁ、進むっきゃないか!前進あるのみ!
と、自分を鼓舞しながら歩いていると、うっすら発光している石を見つけた。やっと見つけたぁ!
この不思議な石を傷つけないように、丁寧に壁から取り出して、そっとカバンに入れる。
「ミッション完了!」
こうして俺は、魔鉱石を手に入れた。
「さてと...」
洞窟の奥には、見えるだけで、まだ十数個の魔鉱石がある。研究材料は、多い方がいい。
と、いうことで、魔鉱石の刈り取りが始まった。
ーー一数十分後一ーー
「はぁ...やっと終わった...」
数十分かけて、目につく魔鉱石を取り終わった。
とった魔鉱石の数は、かなりの数になり、洞窟も終わりに近づいてきた。
ふと、洞窟の奥を見ると、突き当たりに、緑とも青とも見える、不思議な色をした魔鉱石を見つけた。
なんとなくだが、あくまで魔鉱石ど素人の俺の勘であるに過ぎないのだが、あの石は、レアな気がする。だが、あの石の周りには、不穏な空気が漂っている。
・・・採るか、あの石。
数秒迷った後、俺は覚悟を決める。
そして、洞窟の最奥地へと、俺は足を踏み入れる。