第五話 大森林サバイバル!
スキル発言から数日経ち…
俺は今、森にいる。
もう2日は、家に帰ってない。
え? なんでこうなったかって?
事の発端は、5日前の、夕食の席だった...
「おじいちゃん」
「なんじゃ?」
「俺、狩りがしたい!」
俺も森で暮らす身だ。狩りくらいはできておきたい。
そう、俺のこの一言で、俺のこの考え一つで、俺のサバイバル生活は始まったのである。
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狩りをねだってから2日後、ついに狩りに行かせてもらえることになった。
だが森で、2匹目をおじいさんが仕留めたところで、おじいさんが俺に、謎のスパルタを発揮。
「ここにおる魔物の一つや二つ、仕留められなければ、この世界ではやっていけんわい!」
……その一言とともに、俺を森に放り投げた。
ということで、今俺は、森で生活をしつつ、おじいさんの小屋を目指している。
さらに、森の魔物を練習台として、スキルの練習をしている。練習の甲斐あってか、スキルの使い方はかなり上達してきていて、玄武化に関していえば、ほぼ使いこなせるようにはなった。
「ガァァァァ!!!」
そんなことを考えている間に、早速1匹晩飯がやってきた。
出てきたのは、ちょい大きめなウェアウルフ。ランクはB。肉がうまくて、晩飯に最適。スキルの練習にもぴったりな、お手頃な魔物である。
「ふぅ…」
深呼吸をしてから、ウェアウルフに飛びかかる。
まず、ウェアウルフが腕に噛み付いてくるのを、玄武化でガード。そのままウェアウルフの首を掴み、投げ飛ばす。一丁あがり。
気絶しているウェアウルフの首を折る。
ボキッ!
「…」
やはり、生き物を殺すのは、何度やっても辛い。こればっかりは、慣れた方が怖い。慣れない方がいい。
死んだウェアウルフの下処理を、テキパキと済ませて、食べられる部分を、ナイフで切り取っていく。これはもう慣れた。慣れって怖い。
ちなみに、生活してみてわかったが、この森にはBランク以下の魔物が出てこない。どうなってんだよ、この森。
ーーーその日の夜ーーー
「はぁ…」
一体いつになったら小屋に戻れるんだろうか。
ウェアウルフの肉を食べながら考える。
少しずつではあるが、確実に森を進んではいる...多分。 何せ目に飛び込んでくる景色が、ずっと一緒なので、進んでいるという確信が持てないのだ。
「…」
ふと、遠くを見やる。と、微かに灯が見えた。
「あ!」
いきなりの進展に、心が躍る。だがしかし、冷静に考えてみると、今行くのは危険すぎる。夜の森には、トラウマも魔物もいるのだから。
仕方なく、灯が見えた方角を地面に書き記し、この日は寝た。
*
「ふあぁ...」
寝ぼけ瞼をこすり、体を起こす。
近くの川で、軽く顔を洗い、気合を入れる。
「さて、行くか」
次話はバトルですが、そこまで血は出ないので安心して下さい。




