第19.5話 「おやすみ」
お久しぶりですね。半年更新しなかったわけですが、生きてますよ、僕は。
俺たちは、地獄の夕食を終えたあと、もう後は寝るだけ、なのだが…
「流石にこれはキツくないか…?」
ライルが、森の中で寝ることに抵抗感を示しててなかなか寝れない。森の中で寝るといってもテントの中だし、なんなら枕まで付いている。良心的すぎるくらいだろう。
「キツくないから! そんな言うならソフィア見てみろよ!」
ソフィアはすでに寝ていて、幸せそうに寝息を立てている。森の中で寝ることに何も反応を示さなかったのは、俺としても意外だったが。
「うう…でもやっぱりキツイって…」
こんなところでライルの貴族っぽさが出るとは…
「こうして言い争っている間にも貴重な就寝時間が失われてるんだよ、頼むからもう寝てくれ……」
「そうだが……はぁ、仕方ない、覚悟を決めるか……」
そういってライルは、渋々といった様子で寝床へついた。ふぅ、やっと寝れるよ。そうして俺も仰向けに寝転がる。テントの上部分は透けていて、空が見えるようになっている。こうしてみると、木の背が、うちの森より少し高い気がする。木々の間から見える星の数々が眩く光る。今では随分と慣れてしまった光景だが、転生した直後は、随分と感動したのを覚えている。無性にもの悲しくなった。
「なぁ、ライル」
そういって横を振り向くと、すでに寝ている2人の寝顔が見えた。あんなに嫌がっていたのに、もう寝てしまったのか。すごい適応能力だな、と感心すると同時に、2人の寝顔を見ると、自然と笑みがこぼれた。転生前も、なかなかにいい環境だったと思う。でも、やっぱり、転生することができてよかった、と、心の底から思った。
「ライル、ソフィア、おやすみ」