第二話 どうやら転生したらしい
あれから、数週間経った。
おじいさんは、俺の世話をしてくれている。言葉も、ぼんやりとだがわかってきた。
一度、状況を整理すると、一瞬の出来事すぎて分からなかったが、多分俺は、暴走したトラック?に撥ねられた。で、目が覚めると赤ん坊になっていた。これは、おそらく転生だ。つまり俺は死んで、地球ではない世界軸に転生した…と、いうことだろう。あまり信じたくはないが。
先ずは、この世界の情報が欲しい。しかし、赤子の姿では、歩くことはおろか、ハイハイすら儘ならない。かといって、いくら焦ったところで情報が降ってくるわけではない。
なので、俺はこの体の成長を待つ事にした.
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俺はすくすくと育ち、無事3歳を迎えた。 今日は、ささやかな誕生日パーティーなのだ。
「そうじゃ。トウマよ、何か欲しいものはあるかの?」
俺が、少し豪華な食事を終えると、おじいさんは思い出したような顔で言った。
欲しいものか…。 そうだな……
「読み書きがしりたい!」
俺は、満面の笑みでそう言った。
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それから少し経ち、俺は今、おじいさんから読み書きと、護身のために戦闘術を習っている。
習ってみて分かったのだが、この世界はほぼ全世界共通の言語を使うらしい。
前世のように、日本語だの英語だのなくてよかった、と心から安堵する。前世では、文法や単語の綴りを覚えるのに難儀したのをよく覚えている。
*
さらに2週間ほど経ち、俺は読み書きをマスターした。幸せな事に、おじいさんの小屋には本が腐るほどあったので、俺はそれを片っ端から読み漁った。 そして、この世界の大まかな情報を知った。
まず、この世界には、魔法があるらしい。魔法を使うには、魔力が必要で、その魔力総量も、人によって差があるらしい。魔法には、やっぱり属性があり、基本的には炎、水、風、土と、回復などの無属性、の五つだ。闇属性魔法もあるが、使うのが難しい事や、魔力消費量が他の魔法に比べてかなり多いことから、使う人はあまりいない。さらに、魔法は級が分かれている。
級が高くなっていけばいくほど、使いこなすのが難しくなり、魔力消費量も上がる。だが威力は上がる。初級から神級まであり、神級を使えたのは、歴史上一人だというから驚きだ。ちなみに、おじいさんがどこまで使えるか聞いてみると、超級までは使えるようだ。結構すごいな、おじいさん…
魔法の級一覧
簡単 難しい
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初級 中級 上級 超級 王級 神級
さらに、スキルというものがあるらしい。この世界の人は皆、5歳になるとスキルが発現する。スキルの効果は、人によって様々で、スキルを活かして仕事をする人もいるらしい。
そして、魔物がいるらしい。魔物は、種類や大きさによって、細かくランクが分けられており、Eが最弱、最も強いのはKで、Kクラスの魔物は、200年に一度出てくるか来ないかの、天災級の魔物らしい。
魔物の強さランクの図
弱い 強い
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E D C B A S G K
…やばいな、ワクワクしてきた。勿論、不安がない訳じゃない。だが、魔法、スキル、魔法と聞いて、ワクワクしない男の子なんていないだろう。それほどのロマンの塊なのだ、この単語たちは。
「はやく5歳になんないかな……」
俺は年甲斐?も無く一人でときめいていた。
情報量が多いですよね… 次話はもう少し情報量が少ないので安心してください。