第十六話 VSライル
さて、ここで一度ルールを確認しておこう。スキル、魔法アリで制限時間なし。勝敗の付け方は降参か、場外。殺さなければなんでもあり!
「うらぁぁ!」
とりあえず、玄武化と身体強化で距離を詰める。
「うわっ!」
ライルが驚き、体勢を崩す。
「先手必勝!」
そのまま殴る。が、体勢を立て直したライルが剣で完璧に受け流す。
「あぶねぇ……あれ当たってたら普通に致命傷だぞ!」
「喋る余裕があるんなら手ぇ動かせや!」
「はぁ? ふざけんなよ!」
ライルをガン無視してもう一発殴る。が、またしても見事なほどに綺麗な動作で受け流される。 け、剣術うまぁ……
「力任せじゃ俺は倒せないぞ!」
ライルが反撃。剣を横に振ると同時に、炎の弾が4つ俺に向かって飛んで来る。
「マジかっ」
なんとか後ろに飛んで躱す。すぐさまライルが大規模な風魔法を展開。さっきの炎魔法で暖められた空気と相まって竜巻になる。
「ヤバ……」
一度落ち着いて対処法を考える。玄武化でガード...は、熱いし、吹き飛ばされて場
外になるのでNG。かといってこのまま下がり続ければ当然場外。なら一ー
「これでどうだ!」
風魔法で壁を展開。それを玄武化。
「なんだそれは!」
ライルは驚愕している。なんかすまん。
そんなことはつゆ知らず、風の壁はしっかり意巻を受け止めて、かき消す。
「ふぅ……」
とりあえず危機は過ぎ去ったので反撃。
「行くぞライル!」
杖を改良した指輪...オーブリングをつけ、1m程度の水の槍を生成、即座に玄武化。炎魔法+風魔法で威力を上げてライルに向けて放つ。
「行けっ!」
ライルが剣で受け止める。が、勢いをいなしきれず、弾き飛ばされそのまま場外へ。
「なんだよこれっ……」
困感した表情のライルに手を差し伸べる。
「おい、大丈夫か? てか、お前、結構やるな」
ライルがちょっと自慢げな表情になる。
「まぁな。 これで自覚したか?お前が異常な強さだってことに」
「……多分」
「えぇ……」
・・・まぁとりあえず、俺とライルの模擬戦は、俺の勝利で幕を閉じた。