第十話 ついに、遂に出来たぞぉ!
目を覚ますと、横に、不思議な魔鉱石が埋まっている壁が。
「うぅ……」
眼魔を使った影響で、頭がものすごく痛い。おまけに吐き気がする。
「きっつ……」
しかし、もう寝るわけにもいかないので、頭痛に耐えつつ、不思議な魔鉱石を壁から取り出す。
魔鉱石に触れてみると、じんわりと温かい魔力が伝わってくる。
「おぉ…」
やっぱりレアっぽいな、これ。調べるのが楽しみーーーーっと、少し話がズレた。
まぁとにかく、
「ミッション、コンプリート!」
「ぅう...…」
あれから4日経ち、やっと小屋に戻った俺。小屋に戻るまでの3日間は、思い出すだけでも地獄の日々だった。デルタスとの戦いでの負傷+全身の筋肉痛+眼魔のリスクによる頭痛。
帰ってきたのはいいものの、まだ頭痛がして、ろくに研究できない...もう最悪!
「早く研究してぇ〜……」
ー一数日後一ー
「治った〜!」
嬉しさのあまりつい俺は叫んだ。
「さぁ、研究だ! 今すぐ!」
ということで早速持ち帰った魔石を数える。
赤の魔石×4 赤の魔法石×3翡翠の魔将石1
青の魔石×3 青の魔法石×4
黄の魔石×5 黄の魔法石×3
緑の魔石×6 緑の魔法石×6
白の魔石×4白の魔法石×3
こうしてみると、かなりの量の魔鉱石を取ってるな。さて、研究だ!
ー一数十日後一一
「これ面白いな...」
魔鉱石について、調べてみると、かなり奥が深いことがわかった。と、言うことで、魔鉱石について、少しまとめる。
【魔鉱石について】
魔石は、魔力を秘めた石で、杖の素材に使える。色ごとに、サポートしやすい魔法がある。
赤=炎
青=水
緑=風
黄=土
白=無
魔法石は、魔石の上位互換で、色にあった魔法を使うと、その魔法の威力が上がるが、魔石より扱いが難しくなる。
魔将石は、魔法石のさらに上位互換で、その色の魔法を使うと、威力が増大し、さらに、魔法発動のアシストまでしてくれる。が、魔力消費量が二倍になったり、威力が増えすぎて、普通の人には扱えない威力になったりすることがあるので、流通はあまりしていないそうだ。
と、まぁこんな感じだ。魔鉱石の解析も済んだし、早速杖作り!
*
「出来た...…」
俺は、2日かけてやっと杖を作ることに成功した。なんせ杖を作るには、木の加工やら、魔鉱石を削ってサイズ調整やらで、かなり骨が折れた。しかしながら、苦労したおかげで、いい杖ができた。素材は、カタストロフツリーの根。魔鉱石は翡翠の魔将石。名前は、"嵐魔の錫杖”。
ちょっと厨二がかってるのはご愛嬌。
「ふふ...試運転しにいくか」
期待を抱きつつ、俺は試運転に向かった。
*
ということで試運転会場の、森の中心に来た。
「まずは初級にするか」
軽く杖の性能がどれほどなのか試してみる。と、いうことで、
「ライト・ウイング」
そよ風を起こす程度の魔法を放つ。
ーーブォッ!!ーー
「うぉっ、やべっ!」
そよ風程度しか起こらないはずの魔法が、周りの木々を難ぎ倒し、かなりの範囲の木が根こそぎなくなった。
「これは………要調整だな」
結局この日は杖の性能にビビりつつ、小屋に帰った。
「う〜ん、、、どうするべきかな、、、」
あのあと研究に戻った俺は、ずっと机に向かって杖の威力改善をしようと試行錯誤している。
とりあえずは、杖の魔力装填部位に、ちょっとした細工をしたところ、なんとか感力を抑えることができたのだが………
「ちょっとでかいな...…」
そう、杖のサイズが大きくなってしまい、かさばるのだ。
「困ったな………もういっそ形を変える……あ!閃いたわ」
こうして、俺の魔鉱石の研究が始まった。
次回なんですが、一気に時が進むので、そのことを頭の片隅に入れてお読みください。何卒。