コロナになってから父が人扱いしてくれない
かなりサクッと読める短編ものです。どうかよろしくお願いします。
「汚い。」
一瞬、何を言われているのか理解できなかった。私は中学を卒業し、もうすぐ華のJ Kになる(予定の)15歳の冴えない女子だ。私は今日、近年騒がれているウイルスであるコロナウイルスへの感染が確認された。そしてそれを聞いた父が放った第一声がこれだ。その言葉を理解した私は涙と怒りが込み上げてきた。数分前までは笑顔で接していたくせに。普通に話していたくせに。普通人に、ましてや自分の子供にそれを言うことができる心理が理解できなかった。
それから10日間、もともと私は春休みだったこともあり引きこもり生活をした。父はと言うと、私がリビングを通ってお風呂に行くたびに「俺なら風呂は入らない」「コロナが感染る」などと独り言をあえて聞こえるように言ってきた。『じゃあどっか行ってろよク○』と内心唱えながら無視してお風呂に入った。母は私の味方だったので、部屋のドア越しに愚痴大会を開いていた。
そして隔離期間を経て私は復活した。ただ、父が病気になった時に気遣うことができるかと聞かれたら私はハッキリと『ノー』と答えるだろう。当然だ。自分の子供を気にかけられない親が、その子供に気をかけてもらえる権利など持っている訳がない。私はこの一件以降父のことが人として大嫌いになった。
あなたは心のどこかで差別をしていたり、考えもせずに口から人を傷つける言葉を発してないだろうか。
よく聞く話だと思うが、やられた側はそのことをなかなか忘れることはできないのだ。
私の父を反面教師に、あなたはこんな奴にならないことを願います。短く、そして拙い体験談でしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。