第23話 居城転居
第二部最終話のはずがツィッターで話した通り、空気になってるイロハの話を次回書きます((((;゜Д゜))))
サゲツサイを討ったマサムネは直ちにタダスケに報告する使者を送り、その日のうちにサゲツサイの館へとタダスケは軍勢を引き連れて入った。マサムネは直ちにタダスケに謁見した。
旧サゲツサイの執務室にはタダスケ配下の武将たちが立ち並びマサムネを出迎えた。
タダスケ『此度の働き見事であった。マサムネよ。』
マサムネ『はっ。有り難きお言葉。』
タダスケ『さて、サゲツサイのことは聞いた。サゲツサイには一人せがれが居たはずだが…?』
マサムネ『はっ。このツナモトがサゲツサイの息子でございますれば。』
タダスケ『ふむ。軍規に照らすならば謀反は一族諸共死罪なのだが…。』
マサムネ『ツナモトの事に関しては私にお任せください。人材は国の宝。むざむざ殺してしまうのは暗君のする事でございます。』
タダスケ『ふむ。しかしそれを許したならば他にしめしがつかぬのではないかな?』
マサムネ『勇将を得るのは難しいと言います。どうかご再考を……。』
タダスケ『ふむ……。あいわかった。ツナモトはマサムネにの一時預かりとする。皆もそれで依存はないな?』
一同『『『御座いません。』』』
タダスケ『よし。次にサゲツサイの旧領地だが、これはこの戦いで一番の功労者であるマサムネ、そちに任せる。』
マサムネ『しかしそれではほかの皆様が納得しないのでは?』
タダスケ『なにを言う。戦陣を切りサゲツサイの軍をマサムネの力で撃破したのだ。誰も文句は言うまい。』
マサムネ『……。分かりました。領地の命、しかと賜りました。サゲツサイ以上に発展させましょう。』
タダスケ『うむ。頼んだぞ。さて、儂は直ぐに居城へ戻ろう。皆支度せよ。』
一同『『『ははっー。』』』
こうしてタダスケ達は居城へと戻っていった。
数時間後
マサムネ『ツナモトよ。お主は私が預かることになった。何か異論はあるか?』
ツナモト『いえ……。本来ならば切腹して果てねばならぬところを、命を救っていただきありがとうございます。』
マサムネ『もし俺がそなたの父サゲツサイが命を懸けて当主なる資格があると思うならば俺に使えろ。もし、資格がないと思うならば…。』
ツナモト『……。』
マサムネ『俺を殺せ。』
ツナモト『!?』
マサムネ『お前にはその資格がある。サゲツサイが命を賭して当主にしようとしたものの生き様を見て判断してくれ。』
ツナモト『……。分かりました。あなたの天下人への道私も微力ながら協力致しましょう。』
マサムネ『よろしく頼む。』
ツナモト『ははっー。』
マサムネ『コジュウロウ。』
コジュウロウ『はっ。』
マサムネ『ワタリに戻り、ハンベエを連れてきてくれ。』
コジュウロウ『はっ。』
コジュウロウはワタリに戻っていった。
数日後
ワタリからハンベエもやってきて全員がマサムネの執務室へ集まった。
マサムネ『さて、領地も増え、家臣も増えた。ここでお前たちの働きに報いろうと思う。』
コジュウロウ『はっ。』
マサムネ『まず、ワタリの地だが、ワタリはハンベエ、そなたに任せる。』
ハンベエ『私にですか?』
マサムネ『うむ。物資の調達から輸送まで滞りなく出来たのはハンベエのお陰だ。また、治安も強化し物資の略奪なども起きなかったと聞く。その働きに報いたい。どうだ?やってくれるか?』
ハンベエ『はっ。ご期待に添えるよう努力します。』
マサムネ『任せたぞ。』
ハンベエ『ははっー!』
マサムネ『さて、この新領地コオリだが……。』
カツイエ『マサムネ様が治めるので?』
マサムネ『コオリはコジュウロウに任せる。新しい地だがコジュウロウならばよく治めてくれるな?』
コジュウロウ『はっ。期待に応えて見せましょう。』
マサムネ『頼むぞ。』
カツイエ『マサムネ様はどうするので?』
マサムネ『その前にお前達からだ。』
シゲザネ『俺達にも何かあるので?』
マサムネ『ああ。勿論だ。領地が大きくなり雇える兵士も増えた。今度からは1000人規模の軍隊を動かせるだろう。そこでだ。カツイエ、トウキチロウ、シゲザネお前達にその中から100人の兵士をまかせる。お前達が独自に動かせる隊を持つのだ。お前達が独自に副官を持ってもかまわん。』
カツイエ『俺達3人の隊を持てるので?』
マサムネ『ああ。その代わり預けるのは一兵卒の新人ばかり。お前達三人が鍛えあげろ。』
カツイエ『わかりやした。精鋭を作って見せますぜ!』
マサムネ『ふふっ。楽しみにしてるぞ。三人とも。』
カツイエ『お任せを!』
シゲザネ『やって見せましょう。』
トウキチロウ『某にお任せくだされ。』
マサムネ『トウキチロウ、お前は名前を改めろ。』
トウキチロウ『名をですか?』
マサムネ『そうだ。これよりお前はヒデヨシと名乗れ。武将らしいだろ?』
ヒデヨシ『ヒデヨシ……。はっ謹んで拝命致します。』
マサムネ『さて、新たな拠点の話だが。コジュウロウ、地図を。』
コジュウロウ『はっ。』
コジュウロウは事前に準備しておいた地図を持ってきた。
マサムネ『今我々がいるのはココ、コオリ。そして北に進むとワタリの地だ。さらに東には父上の弟が治める場所。それぞれ街道が伸びているが三本の街道が交錯する場所がある。それがここだ。』
マサムネは三本の街道が交錯している場所を地図で指を指す。
マサムネ『ここは小高いに山になっていて、更に背後には川が流れている。この川が天然の掘りとなり要害堅固なものになろう。そこに新たな城を造る。職人や町人を呼び込み城下を発展させる。新たな貿易の拠点となるのだ。』
コジュウロウ『なる程。三本の街道の中継点となるのですね。』
マサムネ『そうだ。俺はそこが完成次第そこに移る。そこを我らの新たな本拠地にする。』
コジュウロウ『よき考えかと。』
マサムネ『お前達もよりいっそう働いてくれ。』
一同『『『ははっー!』』』
こうしてサゲツサイの謀反は幕を閉じた。マサムネはサゲツサイの狙い通りタダスケの跡継ぎとして注目を浴び始めた。まだこの事が後から起こる大事編に繋がるとは知る由もなかった。