第13話 マサムネ、領地を任される
元服の儀を受けた数日後再び父上から呼び出しを受けた。何か重要な話と言う事だが、何だろう?
イロハ『殿からのお呼びだし何なんでしょう?マサムネ様の元服の儀も終わった事だし、ま、まさか私たちの婚約の話でしょうか?』
イロハが顔を赤くする。
マサムネ『どうだろうな。』
イロハ『もう。マサムネ様はつれないんですから。』
マサムネ『行って見ればわかるだろう。』
イロハ『そうですね。』
イロハと話をしているうちに屋敷へとたどり着く。屋敷につくと直ぐに奥へと通される。そこには母上と、父タダスケ、そして弟マサタカの姿があった。
タダスケ『来たか。』
マサムネ『はっ。お呼びによりマサムネ、まかりこしました。』
タダスケ『うむ。今日おまえを呼んだのは他でもない。実はお前に一つ領地を任せてみようと思ってな。』
マサムネ『領地、ですか?』
タダスケ『うむ。お前ももう元服したし次期国主として、一つやってみないか?』
母上『父上はマサムネに期待しているのですよ?』
マサムネ『……。』
タダスケ『どうじゃ?』
マサムネ『分かりました。後日の勉強のためお引受け致しましょう。』
タダスケ『やってくれるか!』
マサムネ『任地はどこでしょう?』
タダスケ『場所はここより西のワタリという場所じゃ。準備をし、任地に赴いてくれ。』
マサムネ『はっ。分かりました。準備が整い次第赴任いたします。』
タダスケ『うむ。そう、それとイロハは置いていくようにな。』
マサムネ『!?』
タダスケ『そう訝しがるでない。新しい場所じゃ。落ち着くまでは安全な所にいたほうがお前も安心じゃろう?』
マサムネ『………。分かりました。留守の間イロハの事はよろしくお願いします。』
タダスケ『安心していくがよい』
マサムネは館をでた。
コジュウロウ『マサムネ様。』
マサムネ『コジュウロウか。お前の言ったとおりだった
わ。』
こいつは、コジュウロウ俺の小姓で頭が切れいつも相談に乗ってくれる。
コジュウロウ『ではやはり。』
マサムネ『父上と母上は俺を追い出すつもりだ。』
コジュウロウ『いかがなさいます?』
マサムネ『しばらくは言うことを聞いて力を蓄える。』
コジュウロウ『その方がよいかと。』
マサムネ『明日中に準備をすませ、早々に発つぞ。』
コジュウロウ『はっ。』
イロハ『マサムネ様!私は?』
マサムネ『イロハには迷惑をかけるな。必ず迎えにいくからおとなしく待っていてくれ。』
イロハ『はいっ!』
コジュウロウ『しかし、マサタカ様とトダ御前様がどうでるでしょうか。』
トダ御前とは俺の母上の事だ。トダという地名から嫁いで来たのでトダ御前と言う名前が付いたそうだ。
マサムネ『コジュウロウはここに残り俺が代わりのものを寄越すまでイロハを守ってやってくれ。』
コジュウロウ『分かりました。イロハ様の御身命に賭けて御守りいたしましょう。』
マサムネ『頼む。』
イロハ『よろしくね!コジュウロウ!』
マサムネ『戻ったら忙しくなるぞ!』
コジュウロウ・イロハ『『はいっ!』』
それから2日後……。
俺たちはワタリに行くため準備を進め、ついにその日がやってきた。
タダスケ『しっかりやるのだぞ。』
母上『父上の期待を裏切らないよう。』
マサタカ『兄上、頑張って下さい!』
マサムネ『父上、母上いって参ります。』
イロハ『マサムネ様お気をつけて。』
マサムネ『イロハもな。コジュウロウ後はよろしく頼む。』
コジュウロウ『万事おまかせを。』
マサムネ『では…。父上、母上行って参ります。』
マサムネはこうして赴任の地ワタリヘと向かった。