第76話〜終わりへ〜
やめて!助けて!誰か!
クレア、助けて!私を助けて!
クレア、クレアクレアクレアクレアクレアクレア!
助けてよお!助けて!死にたくない!あなただってそうだったんでしょ!?なら助けて!死にたくないよお!
やめて、いやあああああああああああああああああ!
「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!」
がばっ!
「クレア!?」
飛び起きた私に、誰かが心配そうに私の名前を呼んだ。
愚か者ではないと信じて、でも実際は何一つ変われなかった者の名前だ。
まだ鼓動が激しい。寝ていたはずなのにどっと疲れた。なぜ?
「ゆ、夢……?」
夢……?本当にそうだろうか?
沙耶に何か危機が迫って、そして私は、沙耶を助けなきゃ、って思ってて……
「クレア、大丈夫かい?」
そう心配そうに言った人の顔を見て、私は全てを思い出した。
ルウ。
私の親友を、殺そうとした、私の父親――!
「ああああああああああああああああああああああああああ!!」
私はルウに飛びかかると、コートからナイフを取り出して、首筋にぴたりと添える。ちょっとでも動いたら、ルウは死ぬ。私が殺す!
「クレア、どうしたんだい?」
「しらばっくれるな!沙耶をどこへやった!?嘘ついたりしたら、このまま喉引き裂く!」
語気を強めて、脅す。何も答えなくても殺す。殺してやる。
「……今はもう沙耶の打ち上げ準備に入ってるよ。多分、もう間に合わないんじゃないかな?」
白々しく、こいつは言った。
元凶のくせに、こんなにあっさりと『もう間に合わない』だと!?許せるものか、許すものか!
「ねえ、君はどうしてそんなに沙耶をかばうんだい?」
「なんだと!?」
なぜ?それを訊くのか?なぜ!?
「沙耶は私の友達だ!それ以外に救う理由など、いるものか!!」
それ以外にいったい何があるというのだ?
「……そう。……じゃあ、行くといい」
「……え?」
私は今一瞬何を言われたのかわからなかった。
馬乗りにされたまま、ルウは私に優しく言った。
「君が本気をだせば、きっと助けれる。でも、本気を出さなければ助けられない。……言っている意味、君ならわかるよね?」
私は愕然となる。
お父さんはこう言っているのだ。
私が武器を使えば沙耶は助けられる。使わなければ助けられない。と。
武器を使って助けたら、きっと沙耶はもう私の友達ではなくなるだろう。武器を使って、殺人さえもするような人間と友達でいる人間なんて、いるわけがない。
沙耶の命か、友情か。お父さんはどっちか選べと言ってるのだ。
「……そんなの、決まってるわよ」
私は一秒たりとも迷うことなく、言い切る。
「私は沙耶を助ける」
決意と同時、私はこの白い部屋を飛び出した。ここは宇宙局。感覚でわかる。人が多い方多い方へといけば沙耶に会える。会える。会える!
それは感覚で確実にわかっていた。だから私は右手に拳銃を、左手には日本刀を持って駆ける。
絶対、沙耶を助けて見せる。たとえ友情がなくなるとしても。