第9話 Meets A Heroines…。(9)
2時間目も終わり、3時間目の授業は窪田先生の出張に伴う窪田先生のクラスの自習監督だった。こんなにも他クラスの生徒を見たのははじめてだった。
少し、うちの学校の話をしよう。1学年20クラスあるせいで知らない生徒もいる。
しかし、部活で顧問をやっているところの生徒は知っている。
監督とはいえ、やることはないのでぼーっとしているだけである。
3時間目終了のチャイムを聞き挨拶をして立ち去った。
???「鈴木先生じゃん。何してるの?」
俺「自習担当だったからな、お前こそ何しに?」
???「忘れ物をしたから借りに来た。」
俺「よく教師の前でそれ言えたな。」
???「先生だって大事な忘れ物してるでしょ?」
俺「え?」
???「私の名前知らないでしょ?」
俺「おう、確かに・・・。」
???「はぁ、噂ほんとなんだ。蛍乃蘭ですよ。」
俺「ほたまでわかった・・・」
蛍乃「うそついた。」
俺「ばれたか。」
そんな感じで話しながら俺は社会科準備室に向かった。
社会科準備室に入ると同じ社会科の大宮白歌先生がいた。
大宮「あ、鈴木先生。初めてのクラス担任はどうですか?」
俺「はい、少してこずってますが楽しいです。」
大宮「そうなんですよね。私も去年経験して楽しかったです。」
俺「あとは生徒の顔と名前を早く一致させないとですね。」
大宮「先生のペースでいいと思いますよ。」
俺「頑張ります。」
この学校の先生たちは優しい先生が多いなぁ。
そんな感じでいると突き刺さるような言葉が耳に届いた。
???「あなたはこれから大失敗をする。」
俺「うん?」
そこには、フードを被った生徒がいた。おそらくうちの生徒である。
俺「なんか言った?」
???「鈴木先生、あなたはこれから取り返しのつかない失敗をする。」
俺「物騒なこと言うな。何もできなくなるだろ。」
???「あなたが私の名前を当てられたらそれはなくなると思われる。」
俺「もう半分以上覚えたし、フードは真ん中らへんにいた。ということは、、、誰だ?」
???「そこまで覚えといて当てられないとはな。」
俺「いや、顔は把握してるんだ最初の文字は?」
???「『さ』だ。」
俺「さ・・・さ・・・さしすせそ!」
???「バカにしてるのか?」
俺「悪い悪い。真面目に考える。佐藤では・・・?」
???「ないわ」
俺「斎藤!佐々木!坂田!」
???「ちがう!ちがう!ちがう!」
伊藤「おーい、指扇。課題出せよ早く。」
???「はーい。わかりました。」
・・・
???「あ。」
俺「あ。」
指扇「伊藤先生タイミング悪すぎですね。」
俺「そうだな、指扇。」
伊藤「うん?なんかごめん。」
昼休みのチャイムが3人の間を鳴らし、3人が静かに解散したのであった。