狩りの準備
自分は再び、作業を始める。武器の点検、罠の点検、機材の点検だ。
正直、全て点検だが、これがかなり時間が掛かる。しかし、重要な作業だ。これをしておかなければ、奴らは忽ち、ここを略奪しにくる。
北側の部族は中央の部族と比べ、略奪を好み、とにかく他部族を侵略し、略奪を働く。中央の部族もその被害に遭っている。南部の部族は見た事はほとんど無いが、奴らの『戦利品』とやらに南部の部族の物と思われる衣装や装飾品が有った為、恐らく、被害に遭っている。
これだけの略奪を行う種族な為、性質は言わなくても解るが、凶暴で手が付けられない。それに痩せ細っており、少し不気味だ。その割には部族の中でも最も頑丈で強靭な為、中々、死なず、派手に暴れる。
しかも大量だ。バーサーカーとも言うべき気質をしている。
奴らは赤と白の塗料で身体を塗っているが、すばしっこく見付け辛い。
毎度毎度大勢で襲って来る為、毎回、死体の処理に困ってしまう程だ。いつも、死体を土葬したり、火葬したりしているが、それでも時間が足りない時は獣や鳥に食わせて処理している程、襲って来る。
武器や防具に関しては高度な技術を持っているのが判明した。というのも、時折、よく分からない近接武器か遠距離武器かの様な物を持ち出してくる事がある為、毎度、確認しておかなくてはならない。
今回は新たにタレットを設置している為、大抵の襲撃には耐えられるだろう。
だが、一応、念には念を置き、ロボットも配置しておいた。
今日の昼が無かったという事は今日の夜、奴らの一斉攻勢が訪れるという事だ。
決して油断は出来ない。そうして、点検を終え、狙撃銃を構える。奴らの一挙手一投足及び自然環境に注意しなくてはならない。
今日、ここは激戦区になる。