表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

狩る側、狩られる側。

そっと狙撃銃を構え、奴らが来るのを待つ。罠もありったけ仕掛けて置いた。

今度こそ、奴らとの戦いに終止符を打ってやる。

そう意気込んで自分は緊張を落ち着かせながら、再び、狙撃銃を構え直す。何一つ、見逃さない様に、気付かれない様に息を殺し、気配を潜め、スコープを覗き込む。そのまましばらく待ち続けていると草むらを掻き分ける音がした、と同時に草むらから何かが飛び出す。

どうやらただの鹿だった。自分の敵は褐色の肌をした人間らしき生き物。だが、人間と違って頭に角が生えているし、何より目が金色だったりと明らかに人間じゃない。

奴らは此処に居る生物の中でも中々、異質だ。鹿や兎は普通だが、あいつらはライフルで撃っても中々、死にやしない。それに不思議な力も持っているらしい。

とにかく普通に殺すのは難しい。であれば、彼らと対面しなければ良いとも思うが、どうやら奴らは自分の事をどうしても殺したいらしく、自分の居場所を嗅ぎつけては槍などを使って集団で襲ってくるから逃れる事も難しい。

大体、ここがどこだかも分からない。どうやらそこそこ大きな島らしいが、全体を把握出来ているとはとても思えない。

完全な異郷にも見えるが、所々、自分の知っている文明の利器なども見つけられた。

今、装備している狙撃銃もその一つだ。だが、不思議な事に人間らしい人間が全くとして居ない。居るのは会話出来ない動物と言語形態が不明な原住民ぐらいだ。

調べた所によると、どうやらこの島には定期的に空から巨大な箱の様な物が降ってくる様で、その残骸から武器や食料などが得られる為、一応、ある程度の生活には困らない。それに見た事無い形状ではあるが、居住可能なシェルターらしき物も発見した。

だが、問題なのはここから脱出する手段が無いという事だ。どんなにここで生活していても人工物の音はしない。それにシェルターに置いてあった無線っぽい物も、一切、繋がらなかった。

つまりここは無人島で、前人未踏の地の可能性が高い。少なくともこんな場所は見た事が無い。自分はどうにか、脱出の手段を考えてはいるが、現状、あるとすれば、ボートを作るぐらいだ。

だが、恐らく、それは危険だ。何せ、ここは未知の原住民が住む島、何が起きても不思議じゃない。念には念を入れなくてはならない。

そういう訳で自分はここのシェルターのある森林に拠点を構えている訳だが、最近、原住民がこの辺りまで縄張りを広げてきた。

流石にここを失えば自分は生きられないだろう。だからこそ、今こうして罠を張り、奴らを迎撃するつもりだ。

再び、狙撃銃を構え直す。決して油断は出来ない。奴らはこうしている今もひっそりと自分に近付き、殺そうとしているのかもしれない。

再び、思考を戦闘モードに切り替える。その時、視界に動くものが映る。奴らと認識すると同時に自分は引き金を引いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ