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とある教団の狂想曲


何か最終回っぽいけどまだ続く。




団員A「……なんだかとても嫌な予感がする。」

団員T「おっ、奇遇だな俺もだ」

団員S「君達も?奇遇だね。」

団員C「え?あなた達もですか?」


団員T「………四人揃ってことは」



Tは周りを見渡すと怪訝そうな表情の団員達が居た

恐らく他の団員達も嫌な予感がきたのだろう

先程のこともあり、皆警戒していた。



団員A「これは……」

団員T「次にデカいのがドカンと来るぞ、気を張れ」



その言葉でTは構え、A、C、Sも構えていると

次々に団員達も身を構え始める。

その時、団員達は先程より強い【危機感知(主)】の発動を感じた。それはマリアの危機である


つまり、マリアを崇拝する者にとっては最も嫌いなモノだ、そして団長がすぐに演説をして抜け駆けをする者達を止めるのとただでさえ高まっている士気を高める。



団長「ッ、此処に集いし全団員に告ぐ!

   我らは教祖の元に集まりし者共!

   現実に疲れ逃避し教祖に救われた者である!

   誰かが聞けば身勝手だと嘲笑うだろう!

   誰かが見れば仮想に想いを馳せるなんて

   馬鹿かと言うだろう!

   だがそれが、どうした?

   それでも追い続けたのが我らだッ!

   今こそ!この時に返しきれない恩を返す時だ!

   全ては教祖の為に!仮想の命すら捨てて、


   行くぞッ!!!」



団員達「「「「「おおおぉぉぉ!!!!!」」」」」



その瞬間、団員達から歓声が上がる、そして全員の想いは一つとなる

【教祖マリアを救済する。】と言う何処までもエゴで勇敢とは呼べないモノ、だがそれを『正義』と称ぶのだろう



団員T「さて、俺達も行くぞ」

団員A「案外、落ち着いてるのだな、

    お前ならもっと憤怒していると思ってたぞ」

団員T「おいおい、怒ると言うのはパワーを使う

    それを使うのは今じゃない、だから

    C、S、抑えろ」



Tの言う通り、Cは何処からか爆弾を取り出して今にも走り出して洞窟内に投げそうな様子で、Sは真顔となり、無言で武器の短剣を構えていた。



団員C「す、すみません!つい」

団員S「……そうだね。この怒りは

    まだ打つけるべきじゃ無い」



Tは二人が怒りを抑え込むのを見ると頷き

洞窟がある場所を見る。



団員T「スキルが反応しているのはあそこだ

    恐らくレギオスの連中が何か仕掛けた。

    全くあの野郎」ボソッ



最後に小さな声で何かを言ったのだろうが、

SとCは怒りを抑え込むので精一杯で小声は聞こえなかったようだ、一方Aは見事に感情を制御していたが小声は聞こえなかったようだ。



団員S「………にしてもどうする? 

    あの洞窟、迷路みたいに複雑だよ?」



何故このようなことが分かるかと言うとスキル

【地図作成】と【地理学】と【迷宮知識】の

複合技【構造把握】により、頭の中で立体的に地図を作り出して場所を把握すると言う教団の中でも使える者は数少ない技術である。


ただその情報を処理するのが大変な為に動けなくなるのとそこに何があるかは知る事は不可能と言う

デメリットはあるが十分過ぎるだろう。



団員T「問題無い、むしろいつも通りだ

    冷静に、ただ冷静に敵を追い詰める。」

団員A「了解した。」

団員C「分かりました。」

団員S「分かった。」




◇団員超高速移動中




Sのスキルの複合技で広い空間を渡り歩いていたら

団長と出会い、Tと同時に射ちそうになったが

二人とも顔を見ると弓を下ろした。



団員T「……団長、急に角から

    出て来ないで下さいよ、敵かと思って

    射抜く所だったじゃ無いですか」

団長 「済まんな、コチラもピリピリしていてな」

団員T「団長は見つけましたか?」

団長 「いや、まだだ、あのような強い反応があると

    返って見つけにくいのでな」

団員T「ですね。俺もまださっきの感覚が残って

    軽く麻痺してますから」



その後、軽く情報交換してから、団長と別れた後

T達は疲れ切っていた。



団員S「……ハァハァ……ふぅ」

団員C「……ここでも無いですね。」

団員A「……あぁ、一体何処に居るのか」



そう、マリアが見つからないのだ、

幾ら探し回っても居ない、しかもたまに団員と会うせいで殺気だって居たので出会い頭で殺し合いに何度なりそうになったことか、



団員T「……なぁ、S」

団員S「なんだい?」

団員T「もう一回、【構造把握】を使ってみてくれ」

団員S「なんでだ? 最初でもう覚えてるけど?」

団員T「良いからもう一回やってみてくれ」



Sは何度も言われるので渋々【構造把握】を再度行うと、目を見開く。



団員S「ッ!? なんだコレ!」



いきなり大声を出したSにビクリッと肩を震わせつつTが尋ねると驚きの発言をする。



団員S「何か、さっきから似たような構造だと

    思っていたら、どうやらこの洞窟

    緩やかな坂が多いみたいで方向感覚が

    狂っちゃってるみたい」



話を聞いてみると人間の錯覚により、自分達が降ったり登ったりしている事に気が付かずにSは平行な道だと勘違いし、別の道と間違えて同じ場所を繰り返し歩いていたらしい。



団員A「だとすると、他の団員も同じ状態に

    なってそうだ」

団員T「だろうな、急いで連絡するぞ」



連絡した結果、どうやら慎重な団員以外は変な場所に居ることが分かった、どうやらT達は帰りに迷子の団員を迎えに行かないといけないらしい。



団員T「今の最優先事項は教祖様だ、何でSは

    【生命感知】を取ってねぇのか分からん」

団員S「仕方無いじゃん、時間が無かったんだから

    ……まぁ今は激しく後悔してるけど」



もう遅い後悔をしていると、Aが顎に手を当てて考え出した。


団員A「むっ?何か忘れているような……」

団員C「どうしたんですか?Aさん」

団員A「いや、何か忘れているような気がしてな」

団員T「おいおい、大丈夫か? こう言う時の

    忘れているものって大抵大事な事だからな」


団員S「もしかして、何か探知系のスキルでも

    手に入れたんじゃ?」


団員A「むっ、そうかもしれない」



そう言ってステータスをAは確認すると、Aは「あっ」と呟いた。



団員T「あったのか?」

団員A「あぁ、【気配探知】と言う【生命感知】より

    精度は甘いが範囲が広いと言うものだ」

団員T「よし、早速使ってくれ」

団員A「了解した。」



そう言うとAの体から、青白い光が円状に広がって

また返ってくる。まるでソナーのような感じである。

Aはとある方向を見ると



団員A「あそこに集団の気配がある。」

団員T「S。」

団員S「うん、そっちにはかなり広い空間がある」

団員T「全速前進だッ!行くぞ!」



そう言うとT達は一斉に走り出した、

目標は”誓約の洞窟”の最奥。”ラクス・ラクリマ”、”涙の湖”とも言われている湖がある場所である。


これは幼聖教団と呼ばれる”狂”信者達が、”想”い紡ぐ”曲”、狂想曲(きょうそうきょく)である。


この曲はまだまだ続く、それは描く者達が居なくならない限り永遠に。




【名前:地図作成】

【説明:一度行った場所の地図を作る。平面だがとあるスキルを併用すると。】


【名前:地理学】

【説明:地理に関して詳しくなる。フレーバースキルだがとあるスキルを併用すると。】


【名前:迷宮知識】

【説明:ダンジョンに詳しくなる。フレーバースキルだがとあるスキルを併用すると。】


【名前:構造把握】

【説明:スキルを組み合わせたスキルでは無いスキル、立体的に構造を頭の中で作り出して理解する。】


【名前:生命感知】

【説明:生きているものを精密に感知する。範囲は狭い。】


【名前:気配探知】

【説明:生きているものを大雑把に探知する。範囲は広い。】



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