武漢コロナウイルスによる急性の間質性肺炎についての考察
2.肺炎発症前にファビピラビル(商品名アビガン)投与が必要
医療崩壊を回避するには、武漢コロナウイルスの感染防止とともに、肺炎を発症させないための体調管理や薬剤投与が必要である。今利用できる、効果が確認されている薬剤は、RNAウイルス増殖阻害剤のファビピラビル(商品名アビガン、承認インフルエンザ薬、催奇性の懸念から政府管理)がある。(注1)
武漢コロナウイルスによる急性の間質性肺炎についての考察
アビガン使えるようになったから2の最後が古くなってしまったが、慶賀なことです。
2020/4/2 妄想竹
1.急性の間質性肺炎は対処療法しかなく、ICUを占領する
武漢コロナウイルスによる肺炎は、通常の細菌性肺炎と異なり、急性の間質性肺炎であることから治療が難しい。急性の間質性肺炎では、全身管理、人工呼吸器、故志村けんさんが使っていた人工心肺等で、肺の機能を補う間に、体の回復力による治癒を待つ対処療法に頼ることになる。そのため、入院や集中治療室(ICU)利用が長引く。それゆえに、患者が増えていくと医療現場は対応が出来なくなる。欧米では医療現場が厳しい状況に至っている。(いわゆる医療崩壊)
日本でも、4月1日、日本医師会が会見を開いて『医療危機的状況』を宣言した。
2.肺炎発症前にファビピラビル(商品名アビガン)投与が必要
医療崩壊を回避するには、武漢コロナウイルスの感染防止とともに、肺炎を発症させないための体調管理や薬剤投与が必要である。今利用できる、効果が確認されている薬剤は、RNAウイルス増殖阻害剤のファビピラビル(商品名アビガン、承認インフルエンザ薬、催奇性の懸念から政府管理)がある。(注1)
日本政府は3月28日の首相会見で、「アビガン」(一般名:ファビピラビル)について、武漢コロナ薬として「正式承認に向け治験プロセスを開始する」と表明した。しかし、正規の第3相治験からはじめて、早期承認を目指すとしても、早くて数か月必要で、承認されるまでに多くの人命が失われる。ゆえに、早く政治決断が必要である。少なくとも、早く適用外治療として医師が患者の同意で投与できるようにすべきである。
3.肺炎発症後の対処、サイトカインストーム抑制とウイルス抑制の矛盾
故志村けんさんに見られるように、発症してからの肺炎の急速な増悪はなぜ起きるのか? 死亡患者の繊維化した肺の間質から武漢コロナウイルスが検出されない例が報告されていることから、肺の繊維化はウイルスの直接的影響ではなく、間接的な影響と思われ、サイトカインストームが疑われる(注2)。
サイトカインストームは免疫の暴走ともいえる現象なので、免疫機能を下げることで抑制する。
①免疫抑制剤(注3)
②ステロイドホルモン(注3、注4)
③好中球エラスターゼ阻害剤(注5、注6)
④ACE阻害薬およびアンジオテンシンII受容体阻害薬(注7)
等が考えられる。
ところが免疫機能を抑制すればウイルスが活性化する。
フランスでは、炎症抑制剤等の免疫機能を下げる薬は、武漢コロナウイルスの症状を悪化させるとする「してはいけない5つのポイント」として報告されている。(注8)
つまり、サイトカインストーム抑制とウイルス抑制は矛盾する。
この矛盾を解消するためには、体内のウイルス量を監視しながら、サイトカインストーム抑制を行う必要がある。この時、有効な抗ウイルス剤があれば、コントロールを行いやすくなる。
4.突発性間質性肺炎の治療とウイルス増殖阻害剤の併用
武漢コロナウイルス肺炎の治療は、突発性間質性肺炎の治療手法と、ウイルス増殖を阻害するファビピラビル(商品名アビガン)等を併用することが有効と考えられる。
*************以下参考資料**************
(注1)日本医事新報社 掲載論文より
①【識者の眼】「COVID-19流行は緊急事態─今こそ、ファビピラビル(アビガン®)の使用を解禁すべき」菅谷憲夫 No.5006 (2020年04月04日発行) P.58 https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14325
②緊急寄稿(2)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療候補薬アビガンの特徴(白木公康) No.5005 (2020年03月28日発行) P.25
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14305
③緊急寄稿(3)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含むウイルス感染症と抗ウイルス薬の作用の特徴(白木公康) No.5006 (2020年04月04日発行) P.34
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14354
(注2)医療法人社団 加藤医院 医師ブログ
https://www.katoiin.info/blog/2020/03/post-85-727079.html
(注3)「間質性肺炎の診断と治療―確かな診断と治療で治すことも可能
広島大学大学院 分子内科学 教授 服部 登 」より以下抜粋
「間質性肺炎治療の基本的な考え方は、炎症性の病態が強いと考えられる場合にはステロイド±免疫抑制剤,線維化病変が中心であると考えられる場合には抗線維化薬を使用することであり、効果をみながらこれらの治療を試していくのが現状です。」
https://medicalnote.jp/contents/170828-006-LJ
(注4)日呼吸会誌 49(12)2011 ステロイド投与中止で増悪した新型インフルエンザ肺炎による急性呼切迫症候群の1例
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/049120955j.pdf
(注5)日呼吸会誌 45(3)2007 好中球エラスターゼ阻害剤を使用した急性肺損傷および間質性肺炎症例の臨床的検討
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/045030237j.pdf
(注6)日本薬理学会誌 2003年122巻第2号P151-160 好中球エラスターゼ阻害薬、シベレスタットナトリウムの薬効薬理作用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/122/2/122_2_151/_article/-char/ja/
(注7)Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 2004 Jan;286(1):L156-64. Epub 2003 May 16. Angiotensin II and the fibroproliferative response to acute lung injury.
(アンジオテンシンIIと急性肺損傷に対する線維増殖性反応)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12754187
(注8)(2020.03.23号)『薬のチェック』速報No185
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)してはいけない 5つのポイント(その2)
NPO法人医薬ビジランスセンター(薬のチェック)編集委員会
https://www.npojip.org/sokuho/No185.pdf
武漢コロナウイルス肺炎の治療は、突発性間質性肺炎の治療手法と、ウイルス増殖を阻害するファビピラビル(商品名アビガン)等を併用することが有効と考えられる。
以上、個人的見解です。お間違いのないように。
アビガンは妊娠している人は投与禁止です。
また、男女問わず、投与後1週間は性行為禁止です。