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第三話(ルーク視点)

ルーク視点になります。この話は、飛ばしても大丈夫です。

まだ日が出ていない、窓の外が真っ暗な頃、枕元に手紙が届いた。転移魔法だ。

意識が朦朧(もうろう)としながらも、手紙の差出人を見た。

(目覚めの悪い朝だ...)

こんな時間に、手紙を転移魔法で送り付けていい相手は、そうそういない。差出人はレオ・ジェラルド。リラの従兄妹だ。

いろいろと理由を付けては、リラに会いに来る。つまり、リラに会いたいだけだ。リラは、そんな兄のことを、私に会いたいわけではないのにしょうがなく来ていると思っているが、まったくそうではない。前に一度、あいつと二人きりになった時に

「決してリラには手を出すな。」

と忠告されたぐらいだ。もちろん、俺がリラに手を出すわけがない。幼い頃から一緒に育ってきた仲だ。今さら気持ちを伝えてところで、リラが困るだけだろう。リラを傷つけることだけはあってはならない。それを絶対条件に俺は生きてきた。

レオ様からの手紙を読み、その準備をするため起きていると、リラが階段を降ってくる所だった。こんな早くに、しかも一人で降りてくるなんて珍しいことだった。声をかけようとすると、リラがふと立ち止まり、窓の外の景色を見ていた。

(綺麗だ...)

外の景色を見るリラは、朝日に照らされてとても幻想的だった。純白の髪が朝日に照らされ、キラキラと輝いている。アリスブルーの瞳も、朝日の光を反射するように輝いていた。なぜ、こんなにも綺麗なリラを、貴族達は嫌うのだろうか。リラはあまり外に出たことがない。それにより、自分が綺麗だと知らないのだ。いつも、白い髪をもっているからと、自分を責めている。

思わず、ぼーっと見つめていると、リラがゆっくりと振り返った。リラの表情が、ほっとしたように緩んだ。

「どうしたの、そんな所に立って。」

「リラ...。リラ様こそ、こんな朝早くにどうなさったんですか。」


さっき見た、あの光景は俺だけの秘密だと、そう思った。



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