表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/26

第二話

ある日、私はいつもより早く目が覚めてしまった。窓の外へ目を向けると、まだ空が半分青かった。目を閉じてみたが、一向に眠れず、私はベットから出た。

(もう下に降りようかしら。ルークは起きているか分からないけれど、シェフはもう起きているはずだわ。)

そこで、温かいココアでも入れてもらおう。そう思い、下へ降りた。

階段を降りていると、窓から朝日が見えていた。思わずその光景に目を奪われていると、後ろに人の気配を感じた。ゆっくり後ろを振り返ると、そこにはルークが立っていた。

(なんだ、ルークね...)

ルークだったことにほっとしつつ、私はルークに話しかけた。

「どうしたの、そんな所に立って。」

「リラ...。リラ様こそ、こんな朝早くにどうなさったんですか。」

「別に家にいる時は敬語じゃなくていいのに...。たまたま目が覚めちゃったの。」

ルークの問いに答えて、階段を降りた。メイドを呼び、ココアを持ってくるように頼んだ。

「珍しい。リラ様が自分から起きてくるなんて。悪い夢でもみましたか?」

ルークが言った。

「もう、子供じゃないのよ。...ねぇ、ルークはいつもこんな早くに起きてるの?」

メイドからココアを受け取り、ソファに座った。

「いえ、いつもはもう少し遅いんですが。でも、この手紙が届きまして」

ルークから手紙を受け取り、宛名をみると、私宛だった。差出人は、レオ・ジェラルド。お兄様からだった。中を読んでみると、今日、お昼前にこちらを訪ねる。という内容だった。

(レオお兄様が来るから、その準備で起きていたのね)

ルークに同情していると、はぁとため息が聞こえた。顔を上げると、ルークが頭を抱えていた。

「どうしたの」

「いえ、こないだ王宮に行った時に会えなかったから、わざわざ会いに来るんだろうと思いまして。」

「何か用事があるんじゃない?レオお兄様も、別に好きで来てるわけじゃないわ。」

(私に会いたがる人なんていないもの。)

生まれつき、身体に白を宿している者が好かれることはない。ルークは幼い頃から一緒にいるため、例外なだけだ。

窓の外には、もう日がでていた。

「ルーク、朝食にしましょう。お兄様が来るなら、その準備もしないといけないでしょ?」

「...はい。それでは、朝食をお持ちしますね。」

ルークが調理場に向かった。1人になった私は、ソファに身体を沈めた。ルークは、小さな頃から一緒にいる私が、髪色が白いだけで嫌われていることが気に入らないのだろう。レオお兄様は私のことを、可愛がってくれるけど...。

いろいろ考えているうちに、朝食が運ばれてきた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ