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第十六話
リラの過去の話です。
「リラ、朝よ。」
耳に心地いい声が聴こえてきた。私はうーん、といいながら声のした方へ顔を向いた。
「おかあさま...?」
「リラ、おはよう。ゆっくり眠れたかしら」
おかあさまは私を抱き抱えると、頬にキスをした。そのまま部屋をでると、リビングへ入った。そこにはおとうさまがお茶を飲みながら仕事の書類を読んでいた。
「あなた、リラが起きたわよ」
おかあさまが声をかけると、おとうさまは顔をあげた。
「おぉリラ、おはよう。」
おとうさまも私の頬にキスをした。
「おはよう、おとうさま」
おかあさまは私を椅子に座らせると、朝食を運んできた。いつもご飯は家族揃って食べる。
私の隣には、いつも優しく微笑んでいる母と、そんな母と私を溺愛している父がいた。
ありふれた、でも、とても幸せな日常。
そんな日々は、突然何者かによって奪われた。
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