その作品は輝いている
作品は、今日も生まれている。
その日、一等輝く作品もあれば、
誰の目にもとまらない作品もある。
夜空には、輝く一等星もあれば、
人の目には見えない星もある。
明かりが消えた、森の夜空
明かりの消えぬ、街の夜空
それぞれ、星の見え方は違うだろう。
白く輝く雪原に咲く、アドニス。
それを見つけたときのように、
色違いの星を見つけて、喜ぶ人もいる。
鉱石に埋もれる、ダイヤの原石。
それを見つけたときのように、
新しい星を見つけ出し、喜ぶ人もいる。
夜に輝けない星もある。
彼女の輝く時間は、早朝か夕刻。
ほかの星が輝かぬ、合間の時間。
でも彼女は、その時間だけは、
シリウスよりも明るく、輝きを放つのだ。
だから彼女は明星……
ヴィーナスと呼ばれるようになった。
「全ての作品が、全て同じ輝きを持つ」
そんな神話を、語ろうとは思わない。
だけど、どの作品だって……輝いている。