わたし、しにます
ブックマークつけてくれたら、その回数だけ腹筋します。
わたしは全てを失った。なぜならもはやわたしには生きる希望はなく、死ぬための希望しか残されていないからだ。ついにこの宿でわたしは一人になった。九つの墓場を後に、わたしはこの宿を出る。わたしに残された道はヤンデレハーレムを作ることのみだ。ヤンデレハーレムを作り上げ、その中で安らかに死ぬることをただ切望する。わたしは死によって本来、空である欲望を満たした瞬間に、死ぬのだ。わたしは歩いた。わたしは歩き続けた。もうどれだけ歩き続けただろうか。かつて人は千年生きたとしても、満足しないだろうと詠む人がいた。しかし、わたしにはどうにも生きれば生きるほど、死を望む気持ちが高まるのではないかとしか思えない。わたしは通常世界にいた頃はただの人だった。家で寝ていたし、遊びたいし、友達、恋人が欲しいし、承認欲求を満たしたかった。高校生のときに初めて彼女ができた。理沙と言う名の彼女はとても愛らしく、凡人たるわたしとは客観的に見て不釣り合いなほど美しい顔をしていた。だか不運にも、わたしはその時モテ期だった。不幸が重なり、わたしが他の女の子と愛のささやき合いをしている最中に理沙と目が合ってしまった。つまり、理沙が浮気をしているわたしを認識したことを認識したわたしは、そこから走って逃げるしかなかった。わたしには到底不可能だった。弁明できるような心構えはなかった。凡人であったからだ。しかしそのようなことも千秋の過去。わたしは力尽きて倒れる。霞む目が捉えたのは学校らしき建物と、三人の女の子だった。




