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わたし、死す
毎日投稿するので、毎日チラ見して欲しいです。
恐ろしいほどに心臓が動き、汗がにじみ出る。スポーツを終えた後の汗はとても爽やかで、輝かしものだ。しかし今回のそれはそういう類のものではない。なぜならばお腹の中心に包丁というものが突き刺さっているからだ。目の前で異常に暗い笑みをわたしに見せる彼女は、当然助けてはくれない。
「これで一つになれるわね」
優しく囁いてきた彼女。
「ああぁ、うううぅ」
ああ、そうだな理沙、と優しくささやき返したいところだったが、お腹に刺さった包丁が痛すぎる。呻くことしかできない。ここで見せ場を作れるのは、ネット小説で異世界転生した後に、ハーレムよろしくやってしまうような人だけだろう。わたしがこの世界で最後に考えたことはこんなくだらない事だった。
こうして私は死んだ。