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ヘブンズゲート・クライシス  作者: 遠藤 薔薇
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『そっかー…。すまんな』

「だから槇原は悪くないよ。俺がダメだったんだ」

結局、甘く見ていたのだ。ハーピアの背後にあるものを全く気にしていなかった。

『それで落ち込んでんだな』

「やっぱそう見えるんだな」

『傍から見てるとなー。真田って自分が弱っているとこ隠そうとすんじゃん』

「そうかもしれない」

『ぶっちゃけさ、彼女のことあきらめていないだろ?』

俺は答えに詰まる。槇原からしたら何となくの問いかけなのだろうが、嫌に核心に触れる言葉だった。

「あきらめていない、か…。多分、そうだと思う」

俺は正直に気持ちを吐露する。今の自分の状況を投げだして、FBIに委ねられるほど、俺はあきらめていない。

『自信なさげだなー。そんなひどい嘘つかれたのか?』

「嘘が原因っていうよりも、彼女を取り巻く状況が俺にはどうしようもできないっていうか…。俺じゃ手に余りそうなんだ」

『そっかー』

槇原の言葉が再び止まる。考えているようだった。

『真田さー。お前、彼女のことまだ好きなん?』

意外な質問だった。次は俺が止まる。

ハーピアが好き。簡単には言えない。あの時の俺はハーピアと向き合おうとしていた。ただ嘘を吐きながらも、俺を支えてくれた彼女の本心を知りたかった。

疑っていたからではない。ただ、ハーピアが俺に垣間見せた気持ちが知りたかった。できることなら支えたかった。それが彼女に対して俺が返せるものだと思ったから。

「…俺はただ彼女に何かしてやれたんじゃないかって思ったんだ。好きだからとかじゃない。俺にしてくれたみたいに、彼女を支えてやれたら…いいなって思った。そうしないと気が済まなかった…。ごめん、上手く話せない。理由が言葉にできないっていうか…。やらなきゃいけないって気持ちはあるけど」

『複雑だなー。そうまでしてやる意味はある?彼女が望んでいるのか?』

「…望んでいないと思う。実際、こっぴどく拒否された」

『じゃー手を出さない方がいいと思うぜー。相手の気持ち無視してやってもこじれるだけだしなー』

槇原の言うことは正しい。

でも…俺はまだやることがある。残されている。


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