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「…あなたは本当に味方なんですか」
「FBIってブランドじゃ足りない?CIAよりかは信頼できると自負しているけど。私は正義の使者で、法の代行者で、とびっきりのプロフェッショナルよ。それでも信頼できないというなら…そうね、上司と電話で話してみる?時差があるから向こうはおねむだろうけど」
フェリシティはウェイターが置いていった水のグラスを指で弾く。澄んだ音がした。
「どうかしら?君が納得いくまで私は自分の素性をオープンにするけど」
「…わかりました」
一旦は彼女を信じよう。ここで時間をかけても意味がない。
俺は4日前の、ハーピアと過ごした期間の話をした。フェリシティは時折相槌や質問を挟みながら俺の話を最後まで聞き届けた。
俺が話し終わる頃には前菜が来た。前菜3種盛り合わせという奴だろうか。見慣れない食べ物がきれいに並べられている。
「いいタイミングね。ひとまず食べながら進めましょう」
フェリシティがフォークを取ったのに続いて、俺もおずおずと食事を始めた。
話している内に4日前の感情が蘇ってきて、俺の気持ちはまた沈んだ。
「災難…で片すには少し特殊なケースね。一応、同情の気持ちは表明するわ」
フェリシティは早々と前菜を食べ終え、空いた皿にフォークとナイフを置いた。
「あなたがどこまで知っているかは把握したわ。記憶が戻っていないのは残念。戻っていればそれなりに話が進みそうなのに」
「…すいません」
「謝ることはないわ。君のペースでやらなきゃいけないことだし、記憶が欠落したことに一番堪えているのはあなただしね」
ウェイターが皿を下げていく。フェリシティはウェイターが来る瞬間に話を打ち切っていた。彼女の席から個室の入り口は死角になっているのに、タイミングが毎回合っている。
「それにしても幸か不幸か…とんでもない大物に接触したわね。
あなたが6年前に会って、2ヶ月前に恋人になったというイリス・エルフ・ナイトクラウド。1週間前にそのイリスのふりをしてあなたに接触してきたハーピア・ツヴェルフ・ナイトクラウド。
どちらもナイトクラウド家の中核にいると言われている最重要人物ね」
突拍子のない話にはやっぱり慣れない。俺の怪訝な顔を見たフェリシティは楽しげに微笑む。
「さしずめマット・デイモンの気分かしら?」




