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ヘブンズゲート・クライシス  作者: 遠藤 薔薇
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「確かにエスコートが下手なのは変わってなかった」

そういわれてしまうと形無しだ。

「ところで、今日はどうするの?学校は休みなんでしょ?」

一応受験生の俺は夏休みにも補習がある。今日は土曜日だからないが、平日は毎日のように入っている。金曜日の夕方には病院にも顔を出さないといけない。定期健診という奴だ。

「あぁ、うん、予定は決まっていないけど…」

「観光案内してよ。行きたいところがあるの。ほら、大きな提灯があるお寺…」

「浅草寺?」

「そうだったかしら。せっかく来たんだもの。一緒に見て回りたい。記憶も戻るかもしれないしね」

俺の方に予定はない。課題はあるが、急ぐほどの量ではないだろう。

「わかった、行こう。俺がエスコートするよ」

「期待している」

イリスが笑った。


それから1週間ばかり経過した。平日の間、俺は高校で補習を受けるために通っていた。友達に遊びに誘われたりもしたけど、結局理由をつけて断った。

家にイリスがいる。それだけで足が早まった。

結婚したての夫婦ってこんな感じなのかな。

そんな恥ずかしいことを考えたりもした。

だけど記憶の方はなかなか戻ってこない。イリスに申し訳ないから、必死で思い出そうとしたけどダメだった。俺の記憶は、アメリカで過ごした日々とイリスとの出会いは、依然空白のままだ。

イリスはそんな俺に記憶を思い出したかの確認はするが、急かしたりするようなことはなかった。むしろ少し距離を置いて観察しているような感じだ。

無理強いしないのは気遣いだろうけど、内心俺の記憶を気にしているのは伝わってくる。当たり前だ。自分の恋人が記憶喪失で落ち着けるはずがない。

「おかえりー」

補習を終えた俺が部屋に入ると、ソーダ味のアイスキャンディーを加えていたイリスが出迎えた。タンクトップにショートパンツ。大胆な格好だな…胸に目がいっちゃうじゃないか。繰り返すがイリスはなかなかのプロポーションだ。

「食べる?アイス」

「あぁ、もらうよ」


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