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 異世界に、

 行きたぁぁぁぁぁぁいぃぃぃぃぃ!!!!!!

 異世界に行って最強の勇者になってハーレムを作りたい!

 異世界ものの小説を読み俺はそう思った。

 小説を読めば読むほど俺の異世界に行きたい気持ちはどんどん強くなっていた。

 そしてとうとう俺は異世界に行く決意をした。

 まず異世界に行く方法だが、色々な小説を読んだ結果、死ぬのが手っ取り早いという事だ。

 だが死んだあと必ずしも異世界に行けるとは限らない。

 死後、神様に選ばれるか運良く異世界に魂だけ飛んで転生するかしないといけない。

 だが、異世界ものの小説をたくさん読んだ俺はあることを学んだ。

 それはトラックに轢かれそうになっている女子高生をかばって助けながら自らがトラックに轢かれて死ぬと異世界に行けるということだ。

 恐らく普通に自殺するよりは、この方法で死んだ方が異世界に行ける確率はグッと高くなるだろう。

 そのために俺はまずネットで近所の女子高を調べた。

 そして何日かその女子高に通い、学校の授業が終わる時間を調べた。

 次にネットの掲示板でトラックを運転してくれる人を探した。

 死ぬつもりなので、報酬は俺の全財産を充てた。

 するとすぐに俺を轢き殺してくれる人が見つかった。

 その人は30代無職の男性で金に困っており、すぐに俺の話に乗ってくれた。

 そして何回かその男と会い、計画を練った。

 手はずはこうだ。

 まず俺が男に報酬の半分を先払いし、その後に男が俺を轢き殺す。

 もちろん俺が女子高生を庇ってだ。

 そして俺が死んで数時間経つと自動で男に予め隠しておいた残りの報酬の場所を知らせるメールが送られるという事だ。

 だが俺が死んだ後の事などどうでもいいので、男には悪いが後から残りの報酬の場所を知らせるメールなど送らないつもりだ。

 そして計画当日。

 予め調べておいた近所の女子高の下校時間を見計らって、その学校の通学路へ行った。

 予定どおり、男はトラックを近くに止めて用意していた。

 俺を轢き殺した後はそのまま逃走するらしい。

 逃走方法や経路などは全く聞いてなしい、興味もない。

 だが、これから人を一人殺そうとする顔ではない。

 ただ金に困った必死な形相だ。

 その時ちょうど女子高生が通学路を数人が渡っていた。

 同時に中型トラックがその女子高生めがけて勢いよく突っ走っていった。

 俺はここぞとばかりに体を走らせ、今にも轢かれそうになってる女子高生を押しのけた。

 そして、トラックは俺を轢き撥ねた。

 痛みは感じなかった。

 一瞬だけ目の前が真っ白になり、すぐに暗くなっていった。

 頭や内臓から血がドクドク出ているのが感じる。

 死を感じた。

 異世界に行きたいと思った時から覚悟はしていたが、いざ死ぬとなるととても怖い。

 俺は異世界に行けるのか、犬死になんてなりたくない。

 ただ、この世界には俺の思い残すことなど1つもない。

 そのまま俺の意識は一発屋の芸人の如く消えていった。

 .................

 次に俺の意識が覚めたら、目の前にとても綺麗な女性がいた。

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