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マジック サーヴァント マイスター  作者: すあま
第零章  〜マイクロ ワールド アプローチ〜
12/29

第12話 閑話休題 ゴブリナ・クィーン

___

 自衛手段ですので以下は気にせず、飛ばしてください。


 無断転載禁止


 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 現在、2chRead 対策で本作品「作品名」につきましては、

 部分的に本文と後書きを入れ替えると言う無断転載対策を実施しております。

 読者の方々には、大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解の程よろしくお願いします。 

 Copyright © 2018 すあま All Rights Reserved. 

 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



 今話題の2CHRead無断転載問題、五分で出来るちょっと痛快な自己防衛対策のすゝめっ!

 作者:MITT様よりお借りしました。




 受精1日目


 薬品のすえた匂いの染み付く薄暗い部屋。

 大きな純度の高いガラスがが覆うバイアスベッド。それが3つ部屋の壁を占拠するように並んでいる。中には透明度の高い液体で満たされていた。


 真ん中のベッドには耳の尖った緑色の肌をした子供が寝ている。

 その部屋に誰かが入ってきた。

 狂気の科学者か……どこがと聞かれると迷うが、まともとは縁遠そうな雰囲気を醸し出した白衣の人物だ。


 その怪しい人物は机に並べ立ててあった試験管を取り、コルク栓を親指で弾くと中の赤い液体を飲み干した。

 続いて三角フラスコに飲み干した試験管の隣に立ててあった透明な液体ー培養液と思しきものーを鼻歌交じりに注ぎ込む。


「"ディスシック"」


 注ぎ終えて、酔っ払いの如くフラつきながら特定の条件のタンパク質を分解する呪文を唱える。

 どうやら狂気の科学者ではなく魔女だったらしい。

 その魔女は何もない空間におもむろに右手を突き出すと虚空に手の平大の魔方陣が浮かび右手がその中へ消えた。


 直ぐに棚から何かを出す様な仕草で手を引っ込めるとその手には5×5×20mmの小さな筒が収まっていた。

 その小さな筒の蓋を開け、フラスコの中へ液体を垂らす。

 フラスコの中を暫く様子を見てニヤリと怪しい魔女が笑った。


 ◆


 1ヶ月後

 真ん中のベッドは空に。

 左のベッドには耳の尖った緑の肌の女の子が寝て居た。

 その寝顔は天使の如く、作り物かと思うほどあどけなさを残した美しさだった。


 この子は小鬼(ゴブリン)と言う種族。

 さらに言えばゴブリンのメスの中で先祖帰りした、人の外見に近い古代種。ゴブリナ。

 その昔、悪魔族に簡単に増える労働力と使い捨ての戦力として遺伝子情報を(モテアソ)ばれた人達がいた。


 ゴブリンに堕とされたのだ。

 その中で人に近い外見の異端児である彼女達の末路は想像に難くない。

 淘汰され伝説上の存在となった種族。


 その彼女を怪しい魔女は作り出し、持てる叡智の全てをもって魔改造を施しているのだった。

 外見を傷つけること無く、ゴブリナの弱さや儚さをそのまま。

 魔女にとって最高傑作の玩具。


 その意識は産まれて一月を経過しても未だに覚醒せず、超技術により無意識の基、知識を植え付けら(セーブさ)れて居た。

 しかし意識を、自我を持っていても不思議でない彼女。


 普通のゴブリンには知り得ない悪魔族と呼ばれる種族の歴史とたまに見せる天使と呼ばれる存在の情報。この戦争の始まった本当の理由。

 嘘か真かも判断できない内に刷り込まれていく記憶。


 覚醒もされないまま夢の中ただ1人、時に佇んで、時に漂って、流れてくる情報の意味も理解出来ずに見つめて自分が何者なのか考える。

 母を知らず、愛情を知らず、生き物の生態情報を読取り、外の世界を知った。


 夢と言うなんでも出来る世界で流れ込む情報により強制的に学習させられた。

 知らない世界に焦がれ続けた。


 ◆


 2ヶ月後

 魔法技術と超技術を修めたゴブリナ。

 超技術とは神から盗んだと言われる超古代魔法の事である。

 この魔女は、光の民側が未だに錬金術で人造人間を作れないものかと研究している事を、いとも容易く実現させていた。


(正しくは複製(クローン)ゴブリナだが)

 その彼女の瞼がユックリと開かれた。

 筋肉には微弱な電気を流して居た為、衰える事無く立ち上がる事に多少の苦労はしたものの、特に問題なかった。


 初めて見る世界と初めて見る創造主。

 しかしそこには感動も感情らしい事さえもなかった。

 彼女には、初めから破格のスペックを与えられている。


 ゴブリンとしては長期の成長期間を与えられ、記憶の着床にも時間をかけられてゴブリンを束ねる王女として造られた。

 超技術の魔法薬(服用型魔導器)で強化された身体の基本ステータス。


 もともと長過ぎる詠唱の超古代魔法。知識は得ても経験不足から無詠唱に出来なかった。

 そこですぐに使い物になる様、詠唱を補助する珠をつけた杖を与える。

 それを操る技術や知識も与えた。


 光の民が産み出した魔法も超技術の一旦である超古代魔法も使い熟せる技術。ゴブリンの枠を超え単騎で聖騎士さえ翻弄出来得る壊れたスペックをゴブリナ・クィーンはもたされた。

 そしてついに目覚めの時が迫る。


 覚醒させる為に眠り続けるシステムを止めた。怪しい魔女はひたすら待ちながら次の計画の準備をする。


 ゴンゴンゴンゴンゴンン……ゴパッ


 バイアスベットの調整水が強制排水されて行く音が響く。直後、マスクの収容と同時にカバーガラスの上半分が機密を解くエアの音が室内に響いた。

 彼女が遂に目覚めた。


「おはよう。私の可愛いゴブリナ・クィーン、フォールーン」「……フォールー……ン」

 超古代語で語り掛ける魔女。

 それに応えるようにたどたどしく続けるゴブリナ・クィーン。


「そう、貴方の名前よ」

「私の名前、フォー……ルーン」

 彼女がその名を呟こうとした瞬間、額から出来の悪い台形ドットで構成された魔法陣が円筒状に幾重にも現れた。名前を一文字口にする度に外側から何層かがキーシリンダーの様に回転し完全な魔法陣が形成され最終的に三つの魔法陣が完成した。彼女が名前を言い終えた瞬間、完成した魔法陣が強く光り輝き、紅い鍵の光が額へ沈んでいった。それが完全に沈み切ると彼女の目付きが世界を初めて目にする子供から一切の感情の消えた抑揚の無い顔に変貌した。


「悪魔族に課せられた使命の為、貴方は私に代わりそれを果たしてきて頂戴」

「はい。我が創造主」

「先ずは効率良く果たす為に、野蛮で下賎な者どもを付き従えると良いわ。その為の知識も戦略もお前には与えた」

「はい。我が創造主」

「あぁ、いけない。羞恥心を覚えなさい。服はそこに用意してある物を。では、使命を果たす以外は好きに生きるが良い。ゴブリナ・クィーン・フォールーン」


「産み出して下さいまして、ありがとうございます。必ず貴方の満足の行く成果を」

 そう傅き、礼を述べた後、かけてあった服を着ると杖を持って空間を渡って行った。

 かくして、光の民にとっての脅威が野に放たれる。



 ____________________

 オマケ


 ◆バイアス・ベッド

   最大30度まで傾くだけの人造生命体専用培養ベッド。ゴブリン

  やゴブリナ以外も作れる可能性が高い。ベッドに入れる前の受精体

  が持つ遺伝子のレシピ次第なのだろう。


 ◆古代魔法 ディスシック

   ある特定条件のタンパク質を分解する魔法。仕組みや方式は今の

  ところ不明。病気を治せるとされる。


 ◆契約

   魂に刻み込まれ、従属する。主に使い(ファミリア)に使う。


 ■登場キャラクター紹介■

 ◆モンスター

 ・ゴブリナ

   人からゴブリンを作る過程で生まれた出来損ないと悪魔族

  は言われている。既に存在していない種族。デコグリフ教会

  の聖典に書かれている歴史の出自には書いていない。人の寿

  命による世代交代や口伝がどれほど都合による隠蔽と改竄に

  まみれているかの証拠でもあろう。

_____

お読みいただき、ありがとうございました。

短く書いてあります。

2500〜3000文字だと一週間であげられるのでこの頃から短く書いておりました。

次回も楽しみにしてください。

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