第10話 従属(Subordination)1
自衛手段ですので以下は気にせず、飛ばしてください。
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今話題の2CHRead無断転載問題、五分で出来るちょっと痛快な自己防衛対策のすゝめっ!
作者:MITT様よりお借りしました。
『おい。聞こえるか?』
ヘルの声が、コボルド語と共に頭に響く。
『あ、これ同時通訳なんだ?』
『こ! これは!?』
コリー顔がまた、狼狽える。
『このほうが、メンドくさくなくて良いだろ?』
ヘルが僕の左肩に止まり、首にもたれてくる。
『じゃぁ、早速、僕はアイルス。駆け出し魔法使い。見ての通り人間だ、コッチはインプで使い魔のヘル、先刻は怪我をさせてゴメンね。バカにされたと思ったんだ』
自己紹介と共に先程の攻撃を謝罪してみる。実際侮られてるのだろうがそこは置いておく。
『グ、ガ、邪なる女神様は、何故そのハゲザルと共に居られるのでコボ?』
コリー顔が最大の疑問であろう事を聞いてきた。
しかも僕はスルーか。あまり頭は良く無いのかも知れない。かと言って殲滅戦なぞしたくも無い。こちらが絶対に勝てる保証も無いのだ。
『お前が言うハゲザルとは、お前を一撃で瀕死にしたちっぽけな魔像を操る我がマスターのことか?』
『うぐっ』
おやおや? ヘルさん強気で頼もしいです。
『我がマスターを愚弄するか?』
『滅相もございませんコボ! 邪なる女神様のマスター様とは思いもよらぬコボ。ウヌが浅慮コボ。お許しくださいコボ』
『まぁ、良い。子犬。無駄吠えは命を縮めるぞ。心しておけ』
『ヘルさん、ヘルさん、キャラが違い過ぎないか?』
『TPOと言うやつぢゃ! む。口調までつられる』
『そ、そっか。ともかく僕たちは早く地上に出たい。協力してくれないかな?』
出来るだけ柔らかい気持ちで接してみる
『お前は信用できないコボ。邪なる女神様の言う事なら聞く』
『あー、そう』
流石にカチンと来るが、殲滅戦という面倒な作業は夢見も悪いしやりたくない。なので出るのはため息のみ。思考レイヤーをフィルターして思う。
どうやったらこのプライドだか、種族間のイメージだかを無くせるだろう?
『今さっき言った浅慮を繰り返すんだ?』
『な、何を言うコボ』
『僕が生きて欲しいと言ったの覚えてる?』
『コボ?』
『覚えてないか。ヒールしたのにねぇ。そこのお前が崇拝する使い魔が言うには、お前を殺しその家族も根絶やしにする。それが戦争だという事だけど』
『ならば、お前を殺して……』
それをコリー顔が口にした途端、ヘルはエア・ブレードの詠唱を始めた。
第2階梯の圧縮っぽい魔法だ! 最後まで見たいけど見たら、コボルドが死ぬ。
そんな葛藤を一瞬してヘルに言う。
『ただの言葉遊びだよ、ヘル。殺さなくて良い』
『そんな、ヘル様……』
『お前ごとき下賎なコボルド風情に名を呼ぶことを許さぬ』
平伏するコボルド。
『現実が見えたかな? 僕はお前達を殺すのを望んでないよ。むしろ殺す提案をしたのはお前の崇拝する邪なる女神様とやらだ』
『っ!』
何やらショックを受けてるのが伝わってきた。もう一押しかな?
『さて、君が僕を嫌っているのは分かった。なぜ嫌いなのか理由は君がよく考えろ。極力、君には話しかけない。ヘルを通してやり取りをしようか』
怒るよりもただ面倒になった。彼らの知識は欲しい。ギブアンドテイク的に彼らに知っている事を教えるとかおこがましい事を思っていた。冷静になって考え直す。
いくら好みのコリー顔でも嫌いなら近づいて怪我するだけ時間を浪費してしまう。コイツとわかり合うにはデメリットが多すぎる。
本気で怒って荒ぶることも無きにしも非ずだが、しかし、それも面倒臭く馬鹿らしく、時間の無駄としか思えない。
『アイルス。意外と器が小さいな?』
『そう? シツケってヤツだよ。敬う存在の更に上の存在に対してこんな態度じゃそれだけで殺されかねない世界なんじゃないの? 悪魔族の世界は』
『ま、確かに悪魔だったら有無を言わさず、首が飛んでるな』
ヘルが僕に同意する。
その上で脅迫めいてるが先送りして来たやりたかった作業を実行する。
「"クリエイト・サーヴァント ソーン01"」
ポケットから取り出して、リルナッツ三体目を落とす。落とす前に数の増えたサーヴァントの識別が必要と気づく。咄嗟に名前を付けて発動させた。名前は古い魔法言語とナンバリング。五百は軽く名付けられるだろう。丸まってたリルナッツは空中で手足を開くと一回転して着地した。
更に、先に起動させた二体のステータスから名付けを行う。
『オープン・コンソール。リルナッツ・ステータス。リネーム"フェオ01"ネクストページ、リネーム"ウル01"」
続いて、また1体のサーヴァントを落とす。
1体は今しがた起動したサーヴァントに触れさせる。手の平に残したもう1体は、そのまま起動させる。
『"クリエイト・サーヴァント アンスール01 ラド01"』
今度は同時に思考詠唱で2体のサーヴァントを起動させて、手の中のラド01をヘルのそばに控えさせ、残り4体は僕を中心に菱形陣形の位置に配置する。
コリー顔は目の前で何が起きているのか、理解出来ないと呆然としている。
『完璧とは言えないけど初めて同時発動出来たよ』
『マスター、ホント末恐ろしいな』
『同じ魔法なら動作複製で発動できる。机上論だったけど証明されたね。並列化してる思考も駆り出せば、もっと面白いこと出来そう』
『それ以上化け物にならないでくれませんか? 大魔王にでもなるおつもりですか?』
『バケモノ? 魔王になるつもりはないよ』
『同時発動出来る悪魔なんて魔王の側近くらいですよ』
『ヘェ~、でも単体ででしょ? ちょっとずるして道具使ってちゃ足元にも及んでないよ』
魔王だなんてとんでもないと否定する。ヘルが聞こえないような嘆息を吐いた。
『では、子犬の。我がマスターの実力と懐の深さが分かったであろう? 我がマスターに敬意を払い、跪け』
ヘルはコリー顔に視線を戻し、そう告げた。
『え、なに?これ、そう言う流れ?』
『ハハコボッ!』
コリー顔から畏怖の念が流れて来る。テレパス使わなくてもありありと分かる。
そりゃ、一撃で倒されかねない物理攻撃力持つのが5体もいちゃ怖いだろうな。凶暴なスズメバチが5匹近くに居る恐怖感かな? これでしばらくは敵対行為に走らないだろう。
望んだ関係性と真逆でとても残念だがあまり悠長なことは言ってられない。
『マスターが慈悲に感謝せよ。そして生きる限り貴様の力を我がマスターに捧げよ』
『御心のままにコボッ!』
『ヘル、そこのコボルド……呼びにくいな、君、名前は?』
コリー顔に名前を尋ねると大きくビクーッとなってから恐縮しまくって応えてくれた。
『わ、我々モンスターコボ! 名前などありませんコボ!』
『んじゃ、名前を授けようね。……コルベルトでどう?』
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アイルス手記
◆精霊魔法エア・ブレード
精霊魔法の代表格。属性ブレード。基本射程15mと結構
あるので後方支援にも使用可能。この他には近接型に分類さ
れる属性スラッシュ。対鎧攻撃の属性スマッシュがある。
クフィーリアが居るので使える。が、本来の魔力最大解放
値がギリギリで使用出来ない。魔法陣と魔法式さえ分かれば
リルナッツでの再現は造作もないだろう。
ステータスには更新なしの為、割愛。
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お読みいただき、ありがとうございました。
次回も楽しみにしてください。




