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「なんなのよもう」 これは要するに、進学指導室へ来いという呼び出しだ。今日は図書館便りを作成しようと思っていたのに、めんどくさい生徒――――いや、めんどくさい事柄であたまを悩ませたくない。昔の自分を思い出すと、当時生徒は皆将来の展望が見えず、虚ろでなるようになれと憂えていた。 さっきの二人の優秀な生徒の姿、正直わたしは見ていて悔しい。スマホなどなかった時代、それを経験してない彼らはわたしの気持ちは理解できないだろう。当時の勉強の辛さを。劣等生だった気持ちを。 「まぁ、しかたないけど…」パソコンの『保存』ボタンをクリックし、電源を落とした。電気を消して、わたしは図書室を出た。