No.2 相川湊の挫折 ③
しょうねんはおびえていた。
みんながはなれていくことを。
みんながいなくなることを。
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「ふぁーぁ。」
間の抜けたあくびをしているのは眼鏡を掛けた青年。四葉蒼斗。
「そういえば相川と会ったのもこんな晴れの日だったなぁ…」
そういいながら授業中であるはずの時間に蒼斗は屋上で眠りにつく。あの日のことを思い出しながら。
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その日蒼斗は親友と帰る途中だった。
「伍国!」
「おおどうしたんだ四葉くん。」
「いや俺んちよってゲームしてかねーかな?って思ってさ。」
「ああ…嬉しい誘いなんだが今日は用事があるんだ…すまないな…。」
「おおそっか!じゃあしょうがねーな!」
そんな会話をしている二人の耳に
『てめーが天高の相川か!調子こいてんのはほんとみてぇだなぁ…?』
『うるさい。どいてくれ。』
そんな会話が聞こえてくる。
「伍国、相川って俺らのクラスのやつだよな?」
「ああ、あまり喋らない印象だったのだが…」
そう言いつつ声のする方へ行くと路地裏に相川とそれを取り囲む高校三年生ぐらいに見える人々。
「…やべぇな。」
「誰か呼びに行くか。」
そんな会話をしている二人の目の前に、
『ドンッ』
巨体が飛んでくる。
「どけって…言ったよな?」
「うわあああああ!こいつ化け物かよ!?」「鎌瀬さん大丈夫っすか!?」
取り囲んでいた奴らはそう言いながら巨体を抱えて逃げていく。
「うわ…変な場面見ちゃったな…」
「帰ろう。それが得策に思う。」
伍国が言いそれに賛同した蒼斗も帰ろうと踵を返した。すると後ろから
「おい。お前らも俺の能力を見たのか?」
と声をかけられた。無論声の主は相川である。
(くっそ…めんどくせぇ。)
そう蒼斗は思っていたのだが
「ちょうどいいところにいたもんだ。そこのチャラメガネ。俺の能力の実験台になれよ。」
予想以上に長引いてます。次はバトルパート。明日書けたらいいなって思います。