No.2 相川湊の挫折
事の始まりは50年前。天都市で口から火を吐く子供が生まれたのがはじめだった。その後そのような現象は日本各地で起きた。50年前を境に人々は超能力に目覚めていったのである。
さて、超能力に目覚めた者の中でも、犯罪に手を染めてしまう者、人々への奉仕へ使おうとする者。様々がいたが、政府が決めた方針、それは
『全国民の能力の把握』
であった。
そして生まれたのが“超能力管理法”。一人一人が持つ能力の細かな差異を分析することで、能力を使った犯罪を防ぐ、また奉仕をした者には相応の財産が手に入る。そんなシステムである。
そのシステムの中枢、超能力データの管理を行うのが、事の発端である天都市にある大学、天都大学なのだ…
そんなVTRを入学当初見せられた一年前の相川 湊は思った。
なら俺の能力はどう説明をつけてくれるのだろう。
彼の能力はデータ上は土の中を泳げる“程度”の能力である。しかし、本質は別にある。彼の能力は
前世の人達が持っていた能力を使えるということだ。
正確には前世の人達が生きている頃には使えなかったが覚醒した場合使えたであろう能力。その数無限に近い。彼は自分が最強である。そう考えていた。あの時までは。
彼が同級生に鼻をおられるまであと3ヶ月。
プロローグ的な何かと相川篇導入です。相川の話で3話ぐらいひっぱれたらいいと思います。