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適当
「おはようございます。いい夢は見られましたか?」
純白に染まった妙な部屋の中で、俺は唐突に質問を受けた。
突然すぎて何が起こっているのか分からない。
さっきまでそこにいたはずの女の姿もなく、部屋もさっきとは全く違った。
部屋にはおしゃれで小さな机と椅子だけがおいてあり、俺に質問してきた少女は分厚い本を膝の上に置きそこに座っている。
テレビで話題の女優やアイドルとも、学校で話題の可愛い娘とも違う、人間離れした美貌。
肩口まである銀髪は、光を反射してキラキラと光り、白い肌をより一層目立たせている。
残念なところを一つ上げろと言われれば無理やり作った引き攣った笑いぐらいだろうか
そして、背中には、文字通り人間離れしたものがあった。
翼だった。
きれいにたたまれた翼が彼女が人間ではないと教える
翼の生えた少女は宝石のような赤い目を本と俺の間を往復させつつ、状況を整理しきれていない俺を見ていた。
「夢、だったのか?」
状況を整理しきれず、思わず言葉が口に出る