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プロローグ
「何で皆僕を置いていくんだ・・・」
制服を着た、高校生の少年が呟く。
仏頂面だけど、実は凄く優しい父親。
面倒見が良く、地域で人気だった母親。
学校一の人気で、自分の姉のような存在だった幼馴染。
そんな人達に囲まれた、平凡で幸せな生活。
ずっとこんな生活が続くと思っていた。
でも...
とあるマンションの屋上。
少年が飛び降りた。
「役者は揃ったか・・・」
全身黒ずくめでサングラスを掛けた男が呟く。
男が見ていた先は、液晶画面に映っていた複数の部屋だった。
――システム起動。ゲームを開始します。
「さて、俺も行くとしよう。ようやく俺の念願が果たされる・・・」
男は不敵な笑みを浮かべて、部屋から退室する。
日本から約数百km離れた無人島。
地下10階にも及ぶ特設会場。
10人の人生を狂わせる狂気のゲームが始まる。
Tartaros第1章流生編、開幕。




