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11/1 検査拒否

11/1


10/30の夜間救急で入院→31日の病状説明で大腸と肝臓に何かがあると言われ、すぐさま大腸カメラ検査を予定される。本人帰る気だったので、とても不満げ。しかも丸1日食事を抜いているので更に不機嫌。入院継続の母を残して帰宅。他県に住む兄に報告、相談。いやはや大変な事に、と私もハイテンションで、しかし次の日に備えて寝ていると。


 明け方5時半に、スマホが鳴りました。表示されている病院の番号に、すわ母に何かが!? と飛び起きて出てみると、看護士さんからでした。


「あの、お母さまが娘さんに電話をしろと、1時半から訴えていまして……」

「はい???」電話の後ろから、娘出たの? という母の声。

「変わりますね~」

「あ、もしもし? あのさ、良ーく考えたんだけどさ、やっぱり検査、止める!」

「はあ??」

「だってなんともないんだもん。胸の痛みも無くなったしさ。検査なんて必要ない!」

「いやいや、そこは検査すべきだと思うんだよ?」

「ポリープごとき、すぐに検査なんてしなくていい!!」


 ちなみに母は耳が遠く、補聴器を使っているものの、この電話も大声で話しているので、ここで説得するのはかえって周りに迷惑と判断しました。


「ああまあその話は、そっちに行ってから聞くから」

「検査しなければ退院でしょ! あんた何時に来るの!」

「いやそれは先生と相談しないと分からないかr」

「だから検査なんてしないんだってば! 朝いちばんで迎えに来い!」

「あああのさ、今何時だかわかってる?」

「はあ? 時間!? ……5時半だけど!?」

「そうだね、5時半だね。周りみんな寝てるね。だから、それはみんなが起きてからにしようよ」

「あんたは私より周りの方が大事なのか!!」


 あ、だめだこれ~~。激昂ゾーン入ってて聞く耳持たないやつだ。

 母は不満があると、普段なら上らないのに、2階の私の部屋にわざわざ階段上がってきて、3日連続で3時間、ずっとしゃべりっぱなしで不満をぶつけていくような人です。ちなみに聞いていなくても返事しなくても、その場にいればいいので、私はヘッドホンで大音量でチェロ曲を流しています。母の声の高さを消してくれるのが、チェロなのです。煩すぎずに良きなのです。そのゾーンに入ったらこちらの言葉など届きません。ちなみにこの3日連続を、国家試験を1週間後に控えて勉強している私に、夜中2時とかからやられました。


「分かった、わかったから。看護士さんに聞いて朝病院行っていい時間に行くから。とりあえず寝ようか」

「検査なんて絶対に受けないからね!! 今から言っておかないと受けさせられるから!!」

「分ったから、少し寝てくださいな。まだ6時前なんだから、周りも寝ているでしょ? もう電話終わらせて寝てください。んで看護士さんと変わって」

「受けないからね! お前はいつも他人の味方だ!」

看護士「あ、変わりました~。1時半から娘さんに電話をしてくれって言っていまして、夜中だから待って、と伝えたんですが、30分ごとに来まして~」

「も、申し訳ないです!! ちょっとああなると人の話を聞く耳を持たなってしまうんです。時間とかも関係なくなってしまって。明日、私は何時に病院へ行ったらいいですか?」

「検査とかもあると思うので、9時ごろなら大丈夫かと思います」

「分かりました、何かありましたらすぐにお電話ください」


 私が朝、兄と相談し、9時ごろに入院病棟へ行くと、すでに説得に失敗した先生方が疲れた表情で居ました。


「お母さんが検査嫌だって言ってるって」

「夜中から騒いだようで、申し訳ないです。ああなったらちょっと無理だと思います」


 そう言いながらもう一度説明するも、もうけんか腰で先生だろうが看護士さんだろうが、絶対に嫌だと喚くだけ。先生と私でナースステーションで話をしました。

 

「どうしようか。消化器内科の先生も急いだほうが良いって今日の検査を入れてくれたんだけど、まあ無理なら明後日とか、その後でも良いんだけど」

「先生、ああなったら今日も明後日も無理だと思います。昨日もお話しましたが、告知しないと無理です」

「でもねえ、病院としては、検査して確定してないものを告知は出来ないんですよ。ただこれは放置して良いものじゃない。一日でも早く検査しないと」

「それでしたら、母は昔から『癌になったらガンセンターへ行く』と言っているので、そちらへの紹介状など書いていただくことは出来ませんか?」


 CT画像での肝臓の影は、非常に大きく、放置してよいものは素人目にもありませんでした。大腸の方は分からなかったけど。

 この提案は非常に失礼なものとはわかっていましたが、何とか検査を受けさせたい一心でした。紹介状がないとダメというのは兄がガンセンターでの受診方法を調べてくれた結果で、それでお願いしました。先生はそれなら、と快く紹介状を書いてくださいました。

 結局、本人が検査拒否なので病院側も仕方がなく退院となりました。


 家に帰ってきて2日ぶりの食事。お寿司が食べたいというので、いったん母を家に送ってから回転ずしを買いに行き、食事。病院のいう事なんて聞いてやらなかった! 金儲けさせてやらなかった! ざまあみろ! と見当違いに喜ぶ母に、ため息つきながらとりあえず食べる。


 夕方、兄が急遽帰宅。しかし兄まで帰ってきたとなると、自分はガンではと気が付いてやけくそになる可能性があったので、『連休なのでちょうど帰ってきた』という形をとる事に。普段ほとんど帰ってこないのでそれでごまかされるとは思えなかったけれど、一応。


 ハイテンションな母を兄に任せ、自室でしばし休む。夕飯後に検査をさせるために、適当な理由を作って説明する。


「病院で説明があった通り、腹部の痛みは大腸に何かがあるのが原因らしい」

「肝臓がどうの、っていうのは?」

「(覚えていたか……)大腸っていうのは、食べ物の水分を吸収する所なんだけど(本当)、そこに何かがあるせいで吸収されない水分が余って、その一部がもう一度血管に入って、肝臓に運ばれるのね(滅茶苦茶)。そのせいで肝臓に水が溜まってはれているらしい(噓八百)」

「大腸の何かってのは、ガンじゃないの?」

「それは検査をしてみないと分からない。けれど、可能性としては高いらしい」

「ふうん。検査って何をするの?」

「だから、提案されてた大腸カメラだよ」

「やらないよ! あの病院ではやらないよ!!」

「うん、わかってる。でも検査はしたほうが良い。肝臓が大きくなっているのは非常に良くないから」

「じゃあ肝臓の検査って何するの? 生検とか言うヤツ?」

「それの前に、大腸を検査する必要があるんだって。大腸のせいで肝臓が腫れているのなら、そっちをどうにかしないとどうしようもないから」

「でもあの病院では(略」

「うん、それで、県のがんセンターか中央病院に掛かれるように、先生に紹介状を書いてもらう事になっている。どっちの病院なら受けてもいいかな?」

「もしガンならそりゃがんセンターのが良いでしょう」

「分かった。じゃあがんセンターで検査受けてくれる?」

「やらなきゃしょうがないなら、そこでならやる!」


 実際はもっと何度も説明してますが、纏めればこんな感じ。この時、救急でかかった病院での検査を拒んだことを、誰よりも母が後悔することになるのでした。


 兄が何も話していないように感じる書き方になってしまっていますが、他県から片道3時間以上かけてきてくれているうえに、あれこれ調べてくれています。また母は兄を信用しているので、兄のいう事なら聞きます。それもあって説得に力を貸してもらっています。

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