表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/28

第4話:赤ん坊、冒険者が苦戦する強敵と遭遇する



◼️ ダンジョン探索


俺は拠点を整え、最低限の生活が確立できたことで、次の行動に移ることにした。

「強くなるための戦闘経験を積む」ことだ。


このダンジョンにはまだ俺が見ていない強敵がいるはず。

そして、それらを倒すことで新たな素材を手に入れ、さらなる武器やポーションの開発が可能になる。


「さて……どんな奴がいるかな」


俺は武器と爆裂ポーションを準備し、慎重にダンジョンの奥へと進んでいく。


——すると、前方から人の声が聞こえた。


「……くそっ、駄目だ! もうポーションがない!」

「こいつ……こんな階層に出てくるはずがない!」

「撤退するしか……いや、もう囲まれてる……!」


——冒険者たちだ。

しかも、相当追い詰められている様子。


俺は岩陰から様子をうかがった。

5人ほどの冒険者たちが、一体の巨大な魔物に囲まれていた。


——それは、「黒鋼の巨人アイアンゴーレム」。


通常、このクラスの魔物はダンジョンの最深部にしか出現しない。

しかし、今目の前にいるのは明らかに異常個体だ。


高さは3メートルを超え、全身を黒鉄の装甲で覆われた巨体。

腕は丸太のように太く、地面を殴りつけるだけで小さな地震のような衝撃が走る。


「ぐっ……防御が硬すぎる! 剣が通らない!」

「魔法もダメだ! まるで効果がない!」

「くそっ……もう終わりなのか……!?」


——このままでは、彼らは全滅する。


俺は一瞬迷ったが……すぐに決断した。


「試す価値はあるな」


俺は腰につけていた**爆裂ポーション(エクスプロードボム)**を取り出し、静かに距離を詰めた。


◼️ 強敵・黒鋼の巨人アイアンゴーレムとの戦闘開始!


ゴーレムは大きく腕を振り上げ、冒険者たちに狙いを定めている。

——あの攻撃が直撃すれば、確実に死ぬ。


俺はその瞬間、全力でポーションを投げた。


——ズドンッ!!


爆裂ポーションが炸裂し、ゴーレムの肩に炎が走る。

しかし……


「……効果が薄いな」


ゴーレムの装甲は予想以上に硬い。

通常の爆裂ポーションでは、表面の傷一つつけるのが精一杯だった。


冒険者たちも、俺の存在に気づく。


「お、おい……!? あの子供は誰だ!?」

「いや、そんなことより今の爆発……まさかあいつが!?」

「くそ、逃げろ! ここは危険だ!」


俺は無視して、次の攻撃を考える。


「なら、装甲を無力化すればいい」


俺はすぐに新しいポーションを生成する。


《錬金生成》——「金属腐食液メタルイーター


このポーションは、金属を瞬時に腐食させる特殊な液体だ。

爆発でダメなら、「装甲そのものを溶かす」ことで戦う。


俺はもう一度ゴーレムの肩を狙い、ポーションを投げた。


——ジュワァァァァ……!


すると、ゴーレムの黒鋼の装甲がみるみる内に錆び、ボロボロと崩れていく。

冒険者たちが驚愕する中、俺はすかさず**「爆裂ポーション」**を再度投げ込む。


——ドォォォンッ!!!


今度は装甲の隙間から爆風が内部に入り、ゴーレムのコアを直撃!

コアが砕け、黒鋼の巨人は崩れ落ちた。


静寂が訪れる。

そして——


「……勝ったのか?」

「お、おい、あの子供……ゴーレムを倒した……?」

「信じられない……俺たちが全く歯が立たなかったのに……」


冒険者たちは呆然と俺を見つめていた。

俺は軽く息を吐きながら、倒したゴーレムのコアを回収する。


——新たな素材を手に入れた。

これで、さらに強力な武器を作れるだろう。


◼️ 大人との交流


冒険者たちはまだ俺を警戒している様子だったが、その中の一人——屈強な男が俺に近づいた。


「……助けてくれて、ありがとう。お前、一体何者だ?」


俺は一瞬考えた後、短く答えた。


「俺は……錬金術師だ」


「錬金術師? こんな子供が?」


「まあな。でも、今の戦いを見ただろ?」


俺が言うと、男は苦笑しながら頷いた。


「はは、確かにな……あのゴーレムを倒したんだから、文句なしに実力者だよ」


「お前、名前は?」


「アーク」


「そうか……俺はレオン・バルハイトだ。お前みたいなすごい奴に会うのは初めてだ」


どうやら、この男は冒険者パーティのリーダーらしい。

俺に対する敵意はなく、むしろ尊敬の目を向けている。


「このダンジョンで暮らしているのか?」


「ああ。ここが俺の拠点だ」


「……なんつーか、すげぇな、お前。普通なら即死するぞ?」


「まあな」


「ハハッ、気に入ったぜ」


レオンはそう言って、俺の肩を軽く叩いた。


——こうして、俺は初めて「外の世界の大人」と関わることになった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ