第3話:赤ん坊、ダンジョンで生活基盤を整える
スライムを倒し、俺は改めて自分の状況を確認した。
——ダンジョンの中、赤ん坊の体、魔物が徘徊。
普通なら絶望するところだが、俺には**《万能錬金術》**がある。
このスキルを活用すれば、食料・水・武器・防具を作り、ダンジョンで生きていくことは可能だ。
「さて……まずは拠点を作るか」
◼️ 拠点作り
ダンジョンには大小さまざまな部屋が存在する。
俺はスライムとの戦闘で見つけた、比較的広くて魔物の気配が薄い空間を選び、そこを拠点にすることにした。
まず、入り口を塞ぐための壁を作る。
ダンジョンの壁に生えている石や苔を錬金術で加工し、**「強化岩」**を生成。
それを組み合わせ、入り口に防壁を作った。
「これで、ひとまず魔物に襲われる心配は減ったな」
次に、寝床。
ダンジョンの床は硬く、そのまま寝ると体力が削られる。
俺はスライムの体組織を加工し、クッション性のある素材を作り即席の寝床を確保した。
「悪くない。意外と快適だな」
◼️ 食料と水の確保
俺の体はまだ赤ん坊のはずだが、転生の影響か、それほど空腹を感じない。
だが、長期的に生きるには栄養の確保が必要だ。
俺はダンジョンの中で利用できる食材を探した。
ルミナス・モス(発光苔) → 栄養は少ないが、加工すれば食える
スライムジェル → 毒性はないが、消化には工夫が必要
地下水 → 魔素を含むが、浄化すれば飲用可能
特に水は重要だ。
魔素が混じったダンジョンの水は、そのまま飲むと体に悪影響を与える可能性がある。
そこで、俺は**「浄化ポーション」**を生成し、水をろ過する仕組みを作った。
《錬金生成》——魔素浄化薬》
試しにこれを使って水を飲んでみると……「普通の水になった」。
これで飲料水の問題は解決だ。
「……いいな。思ったより快適に暮らせそうだ」
これで、食料・水・寝床・安全の4つが揃った。
俺はこれから、ダンジョンで本格的に生き延びていくことになる。
◼️ 武器の強化
スライム戦で使った火炎瓶と毒骨の短剣は有効だった。
しかし、もっと強力な武器があれば、より効率的に戦える。
そこで、俺は手元の素材を使い、新しい武器を作ることにした。
「魔力刃」
・ダンジョンの魔石を錬金術で加工し、剣の刃に埋め込んだ。
・魔素を流すことで、一時的に鋭さを増す。
「爆裂ポーション(エクスプロードボム)」
・火薬をさらに精製し、魔素と組み合わせて爆発力を強化。
・これを投げれば、一撃で魔物を仕留められる。
「これで、戦闘も楽になるな」
俺は早速、ダンジョンに出て魔物を狩り、戦闘の経験を積むことにした。
——生き延びるだけじゃつまらない。もっと強くなろう。