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高峰亨先生がかっこよすぎた

二クール前のドラマなので、ネタバレになってしまう可能性があります。ご承知おきください!( ; ; )

私は、重度のドラマウォッチャーです。対して時間もないくせに、平均して一クールに四、五本のドラマを見ようとする馬鹿なのです。


大学受験を控えた高校三年生。とてもドラマなんて見られるはずもない忙しさの中、私は「後で見るから!」と家族に向かって言い放ち、大量のドラマを録画していました。


大学受験が終わり、やれ某テーマパークに行くだ、やれカラオケに行くだ、はたまた運転免許を取るだ……。長い受験戦争を終えた高校生が各々楽しんでいる中、私は家でドラマを消化していました。やめてください、陰キャと言うのは。


コツコツと見ているのですが、高校三年生分の春夏秋冬の合計四クールのドラマを消化するのには、とてつもなく時間がかかるのです。なので、私はいつも平均して二クールほど、世間から遅れています。ですから、日々ネタバレとの戦いです。


季節の変わり目は「次はどのドラマを見よう」とわくわくしますよね。私は正直、気温の変化や風の冷たさで季節の移り変わりを感じるよりも、ドラマを選ぶことの方が四季を感じます。おかしいですよね、恐らく共感できる方がいればドラマウォッチャー仲間ですね。


さて、「新宿野戦病院」の方に話を戻します。「新宿野戦病院」は、宮藤官九郎先生が脚本を手掛けています。『クドカン先生の作品、見たことあったっけな』と思い調べてみると、ドラマウォッチャーのくせに一本も見たことがないのです。信じられませんよね。ドラマウォッチャー失格です。


俳優の仲野太賀さんが大好きなので「新宿野戦病院」を見てみたのですが……。面白くて、ドはまりです。沼ドラマでした。遅すぎますが、この作品をきっかけにクドカン先生の作品を振り返って追うしかないと思いました。皆様、何かおススメがありましたら教えてください!笑


ここから、軽いネタバレをします。見ていない方は、ここで止めてくださいね。


舞台は、東洋一の歓楽街、歌舞伎町にある病院です。「聖まごころ病院」は、施設の老朽化や外科の医者の不足などから患者に嫌がられ『絶対にまごころだけは行きたくない』とまで言われてしまいます。


そこに、元軍医の外科医、ヨウコ先生がやってきて次々と患者の命を救うのです。台風のようなヨウコ先生がやってきたことにより、元々病院にいた外科ではない先生方も、振り回され、活気を取り戻していきます。


ですが、ヨウコ先生は日本の医師免許を持っていません。アメリカで医師免許を取っていたとしても、日本で医療行為を行うことはできないのです。その事実がありながら、ホームレスなどのワケあり患者の命を救うノンストップ救急医療エンターテインメントとなっています。


これが、とても面白くて。コミカルでテンポの速い掛け合いがありながらも、命の平等さやDV、ジェンダーといった現代の問題を織り交ぜている社会派ドラマの一面もあるのです。ドラマではなかなか切り込めないだろうというような所までリアルに描かれているので、現代を生きる私たちはぜひ一度見るべきドラマだと思います。


ですが、歌舞伎町の問題を切り込みすぎて、R18めな内容となっております。決して生々しさはなく、現実に起こっている問題を切り取っているのです。なので、ぜひ同じくZ世代の方などに見て欲しいのですが、万人にお勧めはしづらいドラマかな……という印象を抱いています。


ずばずばと気持ちがいいほどに切り込む、スタイル抜群のヨウコ先生。NPO法人代表としての熱い思いを持ちながら、裏の顔も持つツンデレの舞ちゃん。一見ポンコツに見えるのに、いざというときはやっぱり頼りになる警察官の岡本。何語まで話せるのだろうと思ってしまうほど、天才で優しい堀井さん。あなたがいたからこそ、聖まごころ病院は回ったのよエノキ……。ああ、間違えた、白木だ。一生握手しかしてもらえない、かわいそうなパパの横山。


これほどまでに全員が愛おしいドラマはあるでしょうか……。「MIU404」の時もそう言いました、すみません。ですが、本当に誰か一人が欠けていたら成立しないドラマだと私は思います。このドラマは、医療ドラマとしての物語ではなく、しっかりと登場人物のバックボーンを描いている作品です。「MIU404」は僅差ながらも伊吹藍が好きすぎましたが、「新宿野戦病院」は全員愛していますし、あの方達の中で大爆笑したいです。


しかし、本当にすみません。他の登場人物とは違うベクトルで大好きな人がいます。美容皮膚科医の、高峰亨先生です。外科ではないです。愛が爆発する前に、急いで紹介をしておきます。


不動産コンサルタントの父親譲りの金儲け主義で、とても軽くてチャラい亨先生。元々は美容クリニックで働き、週三日ほど聖まごころ病院で麻酔の勉強をしています。ポルシェを乗り回し、隙あらばすぐに自慢をする。また、片思いの女の子と自分は付き合っていると錯覚しています。嫌ですよね、こんなナルシストチャラ男。ですが、ここで毛嫌いしてはいけません。しっかりと好きになるポイントがあります。


ヨウコ先生がやってきた最初の頃は、亨先生は血が苦手でした。元軍医ということもあって、ヨウコ先生は色々と雑なのです。


血で浸したガーゼをヨウコ先生が亨先生に向かって投げると、悲鳴のち涙目です。血や臓器を見ると「もう嫌だ」と繰り返す日々。


それが、なんということでしょう。最終回に近づくにつれ『あれ、亨先生って外科医?』と思ってしまうような仕事ぶりなのです。血を見ても、目まぐるしく運び込まれる患者を診ても、怖がるそぶりは見せません。ヨウコ先生の影響を受け、外科の知識も学び患者に寄り添うその姿に胸を打たれてしまうのです。


あとですね、純粋に太賀さんがかっこよすぎます。太賀さんといえば、コメディ。目をかっぴらいて、大声を出しているイメージが皆様にもあるのではないでしょうか? えぇ、今回も七割がそうです。


だがしかし、シリアスなところはきちっと締める。弾けるときは、とことん弾ける。落差がすごすぎて酔いそうでした。太賀さんには酔ってますけどね! ……すみません。


もう一つだけ。毎話の最後にエンディングが流れるのですが、もう……。太賀さんの破壊力が凄すぎます。


エンディングの最初の方は白黒なのですが、途中でカラー映像になります。白黒ということで『何色の洋服着てるんだろ』と思うのですが、カラーに切り替わった瞬間「うっ、うわああ!!!」と目が焼けます。イケメンが、黒のスーツを着ているからです。もう……黒のスーツは反則だと思いませんか? 


私は毎話エンディングまでしっかり見る派なのですが、毎話「かっこいい」に全部濁点を足したような声を出していました。こんなきもいリアクションをする人間なので、外ではドラマ見られませんね。


私には、好きなシーンがあります。記憶を辿っているので正確ではありませんが、ご承知おきください。


看護師の堀井さんは、体と心の性格が一致していません。堀井さんの性別は果たしてどちらなのか、先生の間でちょっとした議論が起こるシーンがあるのです。男性かな、女性だろという議論が起こる中「堀井さんが、男でも女でもどっちでもいい」という意見が出ます。


また、体と心の性別が一致していない堀井さんは、聖まごころ病院の採用面接を院長としました。そこで、院長は「性別なんかどっちだっていい。仕事さえしてくれればね」と優しく言葉をかけます。この二つのシーンがすごく好きなのです。


自分で性を認めることも、他者から決めつけられることも本人はとても難しくて嫌なのだろうと思います。私はまだ日々勉強中の身なので、分かったようなことを言うつもりはないのですが、このシーンに私たちの本来あるべき姿が詰まっているはずだと思います。


私たちのふとした言葉に、相手が深く傷ついてしまうのか、それとも気持ちが軽くなるのかが秘められているはずです。深く考えずに物事を言うのではなく、しっかりと言葉を嚙み砕いて奥にある気持ちを伝えられる人間になりたい。そんな当たり前のことを、思わせてくれるようなドラマでもありました。

ご覧いただき、本当にありがとうございました!( ; ; )文字数に、私の熱量が反映しているような気がして申し訳ないです……。


悔しいです。このドラマの面白さ、温かさ、奥にある繊細さを私はまだ上手く言語化することが出来ません。すべては、見てほしい。その一言に尽きます。今まで紹介させていただいたドラマも、すべて見てほしいです。

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― 新着の感想 ―
『新宿野戦病院』、見てましたよ(^^)/ 仲野太賀さんは『虎に翼』くらいでしか見てないんですが、いい味出してると思いました。 次の次の大河ドラマでは、仲野さんが主演ですね。 しかも演じるのが、自分…
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