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声劇台本

婚活アワード

作者: cyxalis

2人声劇台本(0:2:0) 2502文字


婚活する理恵と美咲。2人は近況を報告しあうため酒場におもむく。


美咲:元ギャル。真面目に仕事している。婚活中。

理恵:真面目さん。学歴が良い。婚活中。

(美咲と理恵は幼馴染)




ーーー駅前ーーー

美咲「や!久しぶり。ど〜うよ調子は。」

理恵「ん〜。そこそこかな。美咲こそどうなのよ。」

美咲「どうって言われても……いつも通りって感じぃ。」

理恵「……私も同じだよ。さ、飲んで食べよう。」

美咲「いーね。まずはお腹を満たさないとね。……はぁ、お腹ぺっこぺこ。」


ーーー店の中ーーー


理恵「ゴックゴック……ぷはっ。……で、どうなのよ。調子は。」

美咲「それさっき言ったじゃん。いつも通りだよ。あ〜ん……。」

理恵「ちょっとチーズ垂れてる。なんでピザを3枚も頼んだの?食べきれないよ。」

美咲「え〜?これはねぇ……愚痴の数。これから3つくらいはお互いの話をしたいってこと。」

理恵「美咲……そう……だね。でもそれなら3つじゃ足りないよ、少なくても6ついるね。」


美咲はにんまり微笑んだ。


美咲「あたしは聞く準備も言う準備も出来てるよ。このピザを食べ終わったらね。」

理恵「そのタバスコかけた辛そうなピザ?」

美咲「あっ。やっぱり準備出来ないかも。辛っ。」

理恵「傍目にも上の空だったからね。タバスコかけ過ぎ。」


理恵はため息を小さくつき、塩辛をチャーハンに乗せて頬張る。


理恵「んまい。」

美咲「んふぉ、ふぉふぉんふ、んんふぉ?」

理恵「話せてない……。」

美咲「んんふぉ。」

理恵「いいよ、ゆっくり食べて。」


美咲が辛さに悶えながらピザを頬張っている。辛くない別のピザもあるのに、律儀にタバスコ入りのピザを食べ終わってから話すつもりなのだ。


理恵「じゃあ私から。食べながらで良いから聞いてよ。」

美咲「んっふぉ。」

理恵「結論1人目、タイプじゃなかった。」

美咲「んーぅ。」

理恵「2人目、無職だった。」

美咲「あむっ。もぐもぐ。」

理恵「3人目。タイプだったし仕事にも理解を示してくれた。ただ私の家族のこと陰謀論者って言うの。」

美咲「ぶっ……んむ。んむむぅ。」

理恵「家族か俺か迫られてる。」

美咲「……むぐ……ごくん。」


無言が続く。理恵は気休めに箸を進めた。

美咲はピザを飲み込んでビールをあおる。


美咲「それさLimeでも言ってたやつ?」

理恵「そう。」

美咲「ん〜。良いんじゃない?家族って言ったって従姉妹とは会うけど両親とは用がなければ合わないって……言ってなかった?」

理恵「いや、まぁ。そうなんだけどさ。いざとなると足踏みするって言うか。」

美咲「確かに?俺か家族かって迫られるのはあれだけど。その人銀行員なんでしょ?しかも役持ちの。」

理恵「うーーん。……なんていうか過剰反応してたのが気になって。あんまりにも敵意があったから、人間全て私から引き離したいって言われてる気分になった。」

美咲「はへぇ。嫌なことでもあったんかなぁ」

理恵「実は美咲と話すのも嫌がられてる。」

美咲「えっぐ。」


美咲はため息をついた。

理恵はタバスコのかかったピザを取って食べる。


美咲「あっ。」

理恵「辛っ。」

美咲「最後の一つだったのに。」

理恵「はふ。次は美咲だよ。」

美咲「えー……。」


美咲「んー。1人目はぁヤリチン。遊ばれてるだけかなあ、体の相性がいいから。」

理恵「もぐ。」

美咲「2人目はタイプなんだけど奥さんいるんだって。このまま一緒にいたいって言われた。20歳上。」

理恵「はふっ、むぐっ。」

美咲「3人目はなかなか優しかったんだけど、病気のこと知って豹変した。」

理恵「んぶっ。」


喉に詰まったピザを理恵は飲み込んだ。

美咲は新しいピザにハチミツをかけると一切れ食べる。


美咲「はちみつピザうっま。」

理恵「むぐっ……ごくん。病気って卵巣のやつ?でも手術で治るって言ってなかった?」

美咲「治るよ。治るんだけど、彼の反応見る限りあたしは人間失格らしい。」


理恵は眉を顰める。


理恵「Limeでもなんか言ってたね。良い感じだと思ってたんだけど。」

美咲「なんかぁ。いつもは女の子は生きてるだけで素晴らしいって言ってくれて優しいの。何でもしてくれる。でも病気が分かった瞬間からドブネズミをみるようになってさぁ。手術で治るからって言ったんだけど。」

理恵「え。なんかそれって子供産めないなら価値ないみたいな?」

美咲「そんな感じなのかなぁ。ギャルが好きっていつもいっててさ。あたし目が良いじゃん?視力2.0あるギャル最高とか言ってたの。」

理恵「へぇ……。」

美咲「病気のこと言ってから言わなくなった。」

理恵「えぇ……。」


理恵はハチミツがかかったピザを頬張る。


美咲「じゃあ別れればいいじゃん?そう思うでしょ。」

理恵「むぐ。」

美咲「それが別れたくないって言うんだよ。私のこと汚物みたいにみる癖に。んで家事とか全部私にさせるようになってさ。言い返すと怒鳴って殴るようになったの。『このくらいやって当然だ!』って。」

理恵「むぐ。うぐっ……もぐごくん。」

美咲「毎日殴られるから『別れる』って言って会いに行かなくなったらさ。Limeがうるさくて……見て。」

理恵「なになに。『俺がダメだったらお前は一生1人だ』『良くしてやったのに結局お前は遊びだったんだな』『最初からそのつもりだったんだろ』……あ、もういいや。ありがとう。」

美咲「ひどいっしょ。あ。ちゃんと市役所に相談してるよ。」

理恵「偉い。」


理恵は3つ目のピザを引き寄せた。


理恵「……三つ目のピザは何かける?」

美咲「んー。半分タバスコ。半分はちみつで。」

理恵「いいね。」

美咲「……あー!!!疲れた!疲れましたぁ!!ねぇ理恵も言って!!」

理恵「はい!!!私も疲れました!」

美咲「もーームリ。食べて寝ること以外はしっませぇーーーん。」


明け透けに美咲は愚痴って、理恵は小さく笑った。


理恵「ふふ。私も食べまーす。飲みまーす。寝まーす。」

美咲「あはっ。理恵だーいすき。」



美咲と理恵は宣言通り、食べて飲んだあと何をするでもなくサッパリ別れて帰った。

各々の家に帰り、さっと就寝の準備をすませ寝室に飛び込む。


--帰路に着く--

理恵「はー。お腹いっぱい。美咲はもう家に着いたかな。」

美咲「ぽぽいのぽーーい。烏の行水、秘伝の術!おっともう布団の中だ。」

理恵「せーのっ」


『同時に』

理恵『おやすみなさい』

美咲『おやすみなさーいっ』


どんなことがあっても気分良く「おやすみなさい!」って寝ていけたらと思います。

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