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投稿します。
(ブラックウルフ変異種 ティナ視点)
私は産まれてから他の皆と違う毛色をしていた。
皆は黒くて綺麗なのに私は灰色だった。
最初は私を育てていたのに途中から私を遠ざける様になり最後は置いていかれた。
置き去りにされた後は皆を探したけど見つかることも無く私は捨てられたのだと気が付いた。
其れから私は逃げ隠れしながら生き延びた。
お腹が空けば木ノ実や食べ残しを食べた。
そんな生活をして森を移動して居るとオークが現れた。
既に逃げる事が出来なかったので戦ったけど充分な食事が出来ていない私では立ち打ち出来ず、傷付きながらも逃げる事は出来た。
何処か傷付いた身体を休められる場所を探して居ると、洞窟を見付ける事が出来た。
私は傷付いた状態と朦朧とした状態もあり、この洞窟が安全であるのかそうで無いのかの判断が付かないまま中に入って行った。
入って行くと何故か分からないがとても気持ちが良かった。
後から其処がダンジョンだとは知らなかったけどね。
ゆっくり歩いていると広い所に出てた。
私は此処ならと思い隅まで行き自分の身体を横たえ私は意識を手放した。
突然近くに気配がして私の意識が覚醒したが身体が動く事が出来無かった。
その状態でも目を開けることが出来たので目を開け相手を見た。
見ただけなのに私は抵抗すると言う感情を抱かなかった。
この人なら私の最後を渡せると思いまた目をつぶり次の生では幸せになれます様にと願いながら意識を手放した。
次に目が覚めると身体の痛みがなく(あ〜死んだんだ)と思ったが良く辺りを見ると部屋の様な?場所に自分がいて椅子に誰かが座っている事が分かった。
当然自分を見ると灰色した自分がいた。
自分が生き延びたと分かりこんな捨てられた自分が生きている事に悲しくなった。
でもそんな私でも生きてて良かったとも思っている自分に可笑しさが湧き上がる。
どうやって自分の傷付いた身体を治したのか、何故私を助けたのか解りませんが椅子に座っている人がやってくれたのだけは分かりました。
その人を見ると、どうやら眠っている事が分かったので起きない様に静かに待つことにしました。
少ししてからその人は目を醒まして私を見てホッとした顔をして「お〜元気になったみたいだな」と声をかけて下さいましたので「ワン!」と答えました。
いつかこの人とお喋りしたいなと思うのは過ぎた思いなのでしょうね。
其れからお風呂?と言う場所に行き私を綺麗にしていただきました。
ですが私の嫌いな色の毛が目立つ様になったのでこの方には申し訳無いのですが余り嬉しくはありません。
その後食べ物を頂きこの方の家族?の方達を紹介されました。
正直捨てられた私に取っては羨ましい限りでした。
その後も話を聞いて居ると、一緒に暮らさないかと提案されたので私はこの方達と共に居ることを選びました。
そして名前を頂き(名前を決める時は色々ありましたが)晴れて私はこの方達の家族になれました。
そして私こと【ティナ】はこの方達を本当に大切な家族として悪しき者から守る事を誓うのでした。
因みに食べ物はとても美味しく(あ〜もう死んでも良いかな~)とか思ってしまったりしたのは此処だけの秘密です。