花は今日も
じゃがいもの花が
茄子の花に似るのは、
じゃがいもがナス科
だからねと、言った。
じゃがいもにも実が
なってね、種も出来て。
何かで読んだ知識を
そのまま、言っていた。
言いながら、
確かなことながら、
見すぼらしい言い方で
言っていると思った。
昨日たまたま聞いた話を、
勉強してきた話のように。
そういうのが、近頃、
なんとも滑稽に見える。
どこにでも書いてある。
誰だって見つけられる。
知られていることは、
そこらへんに転がっている。
じゃがいもの花の、
誰も知らないことなら、
言ってもいいと、
思うようになっていた。
口にできることを、
とにかく口にしてきた。
そういうのが、近頃、
なんとも迂闊に聞こえる。
妹はそうなんやと、
いつものように言った。
他愛無い話として、
うんうんと感心してくれた。
どうでもいいことを、
今朝も書いている。
すべての広がりを、
一人では感じきれない。
初夏を目指して、
季節は淡々と進んでゆく。
じゃがいも、たくさん
穫れたらいいなぁ。
ああ、知るも知らぬも、
出来事は淡々と、
そう淡々と起こってくる。
花は今日も咲いてくる。
そういうことなら、
じゃがいもの花が
茄子の花に似るように、
自分の花は誰の花に。
今更ながら、
出逢ってみたかった。
顔が似ているのは、妹。
花が似ているのは、誰か。