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幕間2.悪役令嬢の暗躍 その1
ラードは衛兵に連れていかれこってりと絞られていた。
「君ねえ。なんで、あんな危険なことしちゃったの」
「食に嘘はつけないからです」
その態度は体格通りの堂々としたもので、しかし起こした事件を考えればどう見てもそんな言い訳が通じるわけがなかった。
「いや、そういうことじゃなくってねえ。君ねえ――」
「お待ちなさい! その方は無罪ですわよ!」
そんなラードを救い出したのは我らが悪役令嬢コーネリアスだった。
「コーネリアス様、この度はご迷惑をおかけしまして」
「いいえ、いいのですわよ。それよりも貴方、その才能をもっと有意義なことに使い遊ばしませんことですわよ」
「有意義?」
ラードにはコーネリアスの企みなど知る由もない。しかし、彼女は自分の食を理解し、さらには今回手助けをしてもらった。ここで彼女の誘いを無碍にすることはラードの誇りを傷つけるものだ。
「分かりました。コーネリアス様にはこの身を助けられた恩もございます。いかようにもお使いください」
こうして、コーネリアスの元に人が集まり始めた。




