#2回目接種日 ~ 4月10日土曜日(前半)
一般にも接種が始まりましたね。ちらほら接種完了報告が耳に入ってきます。
「ところで、最近ゲームやってます?」
「戦国大戦終わってからやってないっすね」
「三国志は全然ですか」
「タッチ突撃に慣れてしまったので、あっちはやらないですね」
「私も鉄砲主体デッキだったので、三国志は触ってないですねー。……そういえば、今日コロナワクチンの2回目打ったんですよ。打ってから5時間くらい経ったけど、いま腕痛くて上がんないですねー」
2回目のコロナワクチンを接種した夜、21時ころに担当編集者から電話がかかってきた。担当編集者とは初顔合わせのときに戦国大戦で盛り上がってしまい、たまにこんな話になる。このとき会話しながらすでに左腕に痛みを感じていた。この日も16時15分ころにワクチンを打っていたが、痛みが出てきたのが1回目より明らかに早い。とはいえまだ元気はあって、「1回目も微熱が出たんですけど胃腸炎じゃないかと思ってるんですよねー昼間に生魚食べたからあはは」なんて会話をしていた。
いつものように30分程度の打ち合わせプラス雑談をして通話を切り、そのままPCに向かったが、頭はすっきりしない。22時かー。やる気出ないなー、っていうか夜に作った文章って本音が出すぎるし余分なこと書きすぎるしダメだよなー、なんて言い訳をしつつ、思いついたネタや気になった部分を箇条書きでちゃちゃっとテキストファイルにまとめて一旦終了とした。また明日考えよう。うん、明日は休みだからちょっと夜更かししてもいいな。そういえば無料DLしたFF7起動してないな。ちょっと触ってみるか。
久しぶりにPS4を起動すると、いろんなアップデートが始まった。OKを連発しつつ、飲み物を準備する。起動までに数分かかって、やっとクラウドがミッドガルの魔晄炉に降り立った。FF7って重苦しい世界観で進んだ覚えがあるけど、オープニングからすでに暗い。とはいえ初代PSから比較して画像はきれいだしみんな喋るし、ゲームの進化は半端ないなあ。あのころはあのころでポリゴンのはしりに感動したんだけど。
あ、この爆破ミッション曲好きなんだよねー。クラウドはディシディアと同じ感じだなー、動きは流用かなー、って、これ、バトル、コマンド式じゃないんかい。全然思ったように動かせないじゃん。うへぇ、ターゲット切り替えとか操作キャラ切り替えとかどのボタンなのさ。どうせならディシディア風に動けるモードも作ってくれたらいいのに、ってあれはみんな舞空術使うからゲームがおかしくなるか。
2時間ほどコントローラーと格闘して、操作に慣れる間もなく爆破ミッションが終了した。気づけば24時を回っている。そろそろ寝よう。
左肩を上げると痛みがあるが、そんなに気にすることもなく、携帯をいじりつつ、すんなり眠りに入ることができた。
ふと目が覚めた。起きるべくして目が覚めてしまった感じだった。なんだこの全身の違和感。寝てられない。
まだ部屋は暗く、時計を見ようと頭を回すと、ひどい頭痛が襲ってきた。眠気と痛みに耐えつつなんとか携帯を開けると、まだ午前5時だ。24時に、そろそろ寝よう、と言っておきながら、ツイッターをいじっていたせいで、結局眠りについたのは2時ころだった。
左腕の痛みも強くなっているけど、なぜか右足が痛い。足というより、太ももあたりだ。飲みすぎた翌日に感じる下肢の痛みに近い。表面痛になるのか、それよりももう少し内側なので表層痛とでもいおうか。よくわからないけど痛い。それに加えて、全身に悪寒が漂っている。
なんだこれは。
コロナの時代になってから強制されて毎朝の習慣になった体温計に手を伸ばす。38.1度だった。
今度は紛うことなき熱発! 今日は休みだけど!
「!」なんて書いたけど、実際そんな勢いはなくて、痛たー……、寒気ひど……、あたまいてえ……、さんじゅう、はちど……? そんなもんなの……、くらいの、息も絶え絶えの芋虫が這うような動きで、カロナールの200mg錠をふたつ流し込んだ。
再びベッドに潜り込んで、身体を丸めたり伸ばしたりしながら楽な姿勢を探すが、どうにも落ち着かない。寒気というかざわつきというか。きっと江國香織だったら独特の表現ができるんだろうなあ……、などと考えていたが、これ、どう考えても副反応だろ。記録しておこう。
携帯からツイッターを開き、カロナール400mg飲んだことを投稿した。タイムスタンプは5:43だった。これ、咄嗟の記録に使えるな。反応も見れるし。
しかし、頭痛はすべてのやる気を奪う。先週接種して副反応が出た同僚は、インフルの咳や鼻水がないバージョンでマジ辛かった、と表現していたが、確かに合う。インフルエンザの症状は、おおまかに発熱、頭痛、関節痛(腰痛など全身の痛み)、そして初期は汗が出ないこと。いま、布団をかぶっていても寒気がひどくて汗が出ていないのがわかる。ワクチンを打っていなかったら確実にインフルエンザと思っていただろう。
そのままおとなしく横になっていたものの、薬が効いてくる気配が全くない。頭痛や全身痛もあるが、寒気というより悪寒が続いていて体がざわざわして寝付けない。我慢できずカロナールを1錠(200mg)追加内服した。これが7時半ころだった。接種後だいたい15時間というところだ。
ベッドでじっとしているうちにうとうとして、はっと気づいたら10時だった。5時から3時間くらいうなされて、2時間くらい眠ったことになる。ベッドから這い出て、前日に作っておいたおにぎりと、なにかスープ代わりになるもの、と戸棚を探してミニサイズのカップ麺を作ることにした。体調悪いのにこんな消化の悪そうなもの食べていいのか、と頭をよぎるが、そもそも風邪じゃないしインフルでもない。きっと問題ない、と言い聞かせて湯を沸かす。身体は超絶しんどくて完全にインフルなんだけど。動くたびに頭痛がきて、関節痛は地味に続いている。10段階ペインスケール(※)で表現すると、頭痛が4~5、全身痛が2~3、右太ももが3.5~4くらいかな。ちなみに自分基準だと、8以上で麻薬、6~でソセゴン/トラムセット、3でNSAIDs飲みたい。5あったら仕事休む、という感じ。
なんとなくテレビをつけて、もそもそ食べる。味はわかるが、テレビの内容は全く頭に入ってこない。横になったまま口にできるウィダーインゼリーとか買っておくんだった。
悪寒は続いているが、そこまで熱が出ている感じはしない。都合600mg飲んだカロナールが効いているのだろうか。頭痛を含めた全身の痛みと汗のなさから、これは麻黄湯が合う、と思うものの家にストックしていないので、いつものように使用目標の近い葛根湯で代用する。実はこの2つ、証も近いが成分も近い。葛根湯には麻黄湯の4つの成分のうち3つ(麻黄、桂皮、甘草)が配合されている。違いを聞かれれば、麻黄湯のほうがシャープで狭く効き、葛根湯のほうがゆるめで適応が広い印象だよねー、と答えている。が、葛根湯もどちらかといえば急性期用でそれなりに効く。とまあ、このへんのしっかりした解説を知りたい人は漢方専門薬剤師に聞いてね!
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※10段階ペインスケール:考えうる最も強い痛みを10、痛みがないときを0として10段階評価する。主観の数字なので、2~3でしんどそうな人もいれば、7~8でも鎮痛剤いらないという人もいる。ただ、経時的に記録していれば痛みの推移がわかる。
時間が経ちすぎて筆が進まない。前後半に分けるので完結までもうちょっと。