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200文字小説集 vol.2

社交辞令婚(200文字小説)

作者: 日下部良介

 今、ウエディングドレス姿で隣に居るのは会社の後輩。彼女は社内のアイドル的存在だった。

 そんな彼女を射止めたきっかけは社交辞令で言った言葉だった。


「僕が独身だったら君の様な子を選ぶよ」


 その夜、妻が死んだ。

 駅のホームから転落して電車にはねられたという。若い女に押されたとの目撃証言もあったが、結局、事故死として処理された。


 葬儀には彼女も来ていた。そして、僕の顔を見て嬉しそうに笑った。

「独身になりましたね」




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