死
「はぁっ...はぁ...っぐ!!」
誰も居ない廃墟の中、柱に体を預け荒い呼吸を吐く一人の青年。体中穴が開き、血がドバドバと溢れ、地面には血だまりが出来ていた
誰が見てもそう長くは持たないことが明白だ
遠くからは足音が何重に聞こえ、こちらに近づいてくるのが分かる。そしてその中の一人が青年の前に立った
「逃げても無駄だよぉ。君は今っここで!死ぬ定めなのだから!!」
気色悪い笑顔を浮かべ、辺りに唾を飛ばす
「...臭い口臭吐かないでくれる?お前のせいで空気汚れかはっっっ!!!」
話している途中に腹に蹴りを入れられ、吐血した
「相変わらず減らず口が減らないねぇ、君は」
髪を鷲掴みされ、見たくもない顔を強制的に見せられる
「っっぷ」
お返しか青年はそいつの顔に唾を吐いた
「き、貴様あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
怒り狂った男は、青年の頭を何度も柱にぶつける
「分家の糞虫が、本家の俺様に逆らいやがっって!死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇ!!!」
長い時間体をぶつけ、殴られ続け、また部下も参戦し、狂ったようにサンドバックにされる。青年はもはや生きているのか、死んでいるのかもう分からなくなっていた
「はぁ...はぁ...はぁ...ふぅぅぅ、まだ生きているかい君ぃぃ?」
「........お前らの力が弱すぎて、残念ながら生きてるさ。家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろ」
死ぬ前に精一杯の皮肉を口にする青年
「んーーー、それもそうだね。君をとっとと殺して、母様ではなく君の妹を犯すとするよ」
「地獄に落ちろ、屑が」
「ふははははは!相変わらずの減らず口だね。早く泣いて叫ぶ君の妹を犯したいねぇぇぇ!」
男が高笑いをし、青年を殴り続ける
「悔しい?ねえ悔しい!?妹を犯されることを知りながらも、何も出来ずに死んで行くってどんな気持ち?ねぇ今どんな気持ち!!?」
体を壊され過ぎたせいか、痛覚は感じられない。そして霞む意識の中、盗んでおいた拳銃に手をかけ、そいつの股間目がけて撃つ
「っっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ!!!!!?」
声にならない悲鳴が聞こえ、部下がそいつの下に慌ただしく駆け寄る。顔を真っ青にして、涙を流すそいつを見るのは、死ぬ間際での最高の光景だった
最後の最後で唯を守ることが出来たな
青年もとい俺は、穏やかな笑いを浮かべ、最後に目の前にいるこいつにこの言葉をプレゼントしよう
「...ざまぁ」
っと