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いずれ消えゆく神話の彼方  作者: 逢色 しゃうん
第1章 デスワールド
3/3

3話 冒険者、【害人】

語彙力もなく、投稿も安定しないのですが

どうぞ、よろしくお願いします。

もぐもぐ、むぐむぐ、




あーうまい!あーうまい!食っていうものを肌で感じる。はぁっ!幸せでごじゃるぅ〜!




ステーキ、パン、野菜、鳥の串刺し(たぶん鳥)、そして水。全てが俺の口を刺激してくる。




「おい!そこ!お前だよ気色悪りぃ」

「なんだこいつ‥‥‥」

「キメーんだよ」




声を投げつける、ガタイがいい3人組。だが、厳はそんな3人は見えてないようで。





なんでこんなところにご飯があるかって?はっはっはっ!クソ妖精がたまにはいいことをしてくれたんですよ〜!




「ふっ!厳!感謝すらがいいわ」

「く、クソ妖精に感謝するのは癪だが、例は言おう。ありがとう」

「へ、変に素直ね」




確かにいままでの厳の態度からしてみれば、素直に見えるが、3日何も食べていなかったのだ。それでいていまから金を稼ぎ、早くて数時間後。といったところでテネリーがまたまた奇妙な能力を使ったのだ。




だが、ここは冒険者ギルドの前。まだ冒険者にもなっていない奴が変な独り言を言ってるのだ。

その者の末路は誰でもわかる。




「おい、ガキ」

「聞いてんのかよ!」

「キメーんだよ」




Bランク冒険者。即ち一介の冒険者とは、わけが違う。ベテランだ。そんな3人組からしたら。イライラしない方がおかしいだろう。




そんな中、厳はやっと腹を満たしたようで、




「なんだよ。人を害虫みたいに言いやがって」

「いや、害虫なんだよ」

「それ以外何かあんのか?」

「キメーんだよ」




そうやって睨みつける。




「そういえばさ、クソ妖精。お前、今透明になってんのか?」

「なんで?」

「いや、そいつら俺が独り言してると思ってるみたいだし」

「それは、そうよ。何せ私は妖精なのだから。下等な人間に見えるわけないでしょ」

「俺は、お前ほど下等なやつを見たことないけどな」

「なにを!」




そんな、やりとりも冒険者の間では命取り。




「無視するってんなら、相応の対応をしてやんないとな!!」




そうやって、3人の中のリーダー的な1人が殴り込む。

足、腰、肩、腕。力をだんだんと凝縮していく。




(こんな、クソガキ。ボコボコにしてやる。最近、娼婦に金騙されたからなぁ。腹いせにちょうどいい)




男の周りに風が舞う。常人なら、早すぎ、強すぎる攻撃だろう。だが‥‥‥




「《硬牙》!!」

「遅いな、なにより力の入れ方から、拳の握るまでの動作。何もかもが」





そう、呟く。誰もが厳の死を予感した。だがこそには気絶している、ガタイのいい男の姿。そして、あの男を軽くあしらったと思われる少年。




「だ、大丈夫か!?」

「ま、まじかよ」

「や、やべぇ!」

「俺ら殺されるぅ!!」

「に、逃げろぉ!」




ガタイのいい3人組の1人が倒れた男を担いで逃げていく。それを筆頭に野次馬に来ていた者たちまで颯爽と逃げていく。




「さっすが厳〜わたしの騎士に任命よ!」

「あっそ」

「出た!ツンデレェ〜」

「殺す」




そんなやり取りをしている厳たち。そこへ‥‥‥




「ちょっと、そこのあなたよ。不届き者」




凛と澄んだような声。静寂な、風がそよぐ。まるで風さえもその声に反応したような。




「なんだ?」

「あなた、こんなところで何しているのかしら?」

「見たとおり、正当防衛さ」

「あなた、何者?」




銀の髪。透き通る肌。柔和な体つき。だが、剣気は本物だ。厳はすぐにそう判断する。




「ただの旅人。ところで、冒険者になりたいんだけど、どうしたらいいんですかね」




にこやかに対応する。これ以上大ごとにすればタダでは済まないだろう。




「そう、見るからに怪しいのだけど」

「そうですかね?」




確かに、厳の格好は旅人というより武人といったところだ。革のシャツに、ボロボロのマント。ベルトで固定され、手には籠手が装着されている。




「冒険者になるっていったじゃないですか」

「それもそうね、いいわ案内する」

「ありがとうございます」




(この、子只者じゃない。気配が全く感じないのに、ずっと威圧されているような感覚。ヤバさがビンビン伝わってくる)




厳は側からみるとまだ少年のような体つきと顔。

だが、数千年は生きている転生者。経験が違いすぎるのだ。




そして、ギルドの中に入って行く。

なかなかに大きいロビーのような場所。カウンターのような所に、酒を飲みかます者たちが鎮座しているであろう、所狭しと並ぶ机。




(な、なんだろう)




厳の頭によぎる不確かな、記憶。懐かしい。




「俺は、ここに‥‥‥」

「どうしたのですか」

「いいや、立派だなと思ってな」




そうやってごまかす。




「そうですよ。色んな所にギルドはありますが、ここは王都のギルド本部に並ぶ広さなのです」

「へぇ」




歩きながら見渡すと、奥には廊下が続いており、何個か扉を確認する。存外大きいようだ。




「すまない、オーラ。この子がギルド登録を申し込む少年だ。」

「イルクと言います。どうやって登録したらいいのでしょう」




これは、前から考えておいた偽名を使う。本名がバレても何も支障はないが、いざという時に使えるかもしれない。




「はい!この紙に職業と扱えるスキルとか、書いてもらえますか?」

「あ‥‥‥職業とは?スキルとは?」

「「はぁ?」」




オーラさんと、銀髪の人が声を揃えて驚く。それもそのはずだ。この世界の住人は生まれてらと同時に‘天恵’を授かる。それが職業という者だ。




だからこそ厳は、焦る。なぜ、子供でも知っているようなことを知らないのか、普通あってはならない。




「冗談ですよ、武人です。」




だからこそ、かける。




「そうですか、その年で冒険者をやるのなら戦闘職ですよね」

「ええ、まあ」




ホッ。武人という職業がなければ、怪しまれていただろう。安心しながら着々と怪しまれぬよう、ありそうなスキルをどんどん言っていく。





「はい、ありがとうございます。登録は以上です。これを、どうぞ。冒険者カードです。身分証になるので無くしたらダメですよ。」

「はい」




この、身分証はどの世界にも存在した者なので。馴染みのあるものだ。昔、カードと言いつつペンダントを差し出された時は少し驚いた。




こうして、厳たちはトラブルはあったものの無事冒険者となり金を稼ぐ手段を手に入れたのだった。






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