第一章 第二話 ん?何でもするって言ったよね?
けっこうエロイ描写が出てきます。でもこの小説はコメディなのでご安心を。苦手な方は次の話へどうぞ。
メイベルさんと一緒に街の呉服店を回り、壮一とシロナはメイベルに服を新調してもらった。
俺は清潔なワイシャツにサスペンダー式のズボン。頭にベレー帽まで被せられ、まさに英国の青年、って言ったところだ。
シロナは花柄のワンピース。日傘まで買ってもらい、うきうきしている。
そうして俺たちは雑居ビルの一角まで案内してもらい、階段を上って事務所に入った。
事務所には大量の書類が収納されており、察するに探偵である以上秘密厳守だろうから、見せられない文書もあるんだろう。そういうのは、全部鍵のかかった部屋にあると俺は勝手に予想した。ソファに座らせられ、メイベルさんは自分でお茶を淹れに給湯室へ行った。
「どうぞ」
ティーポットを用意し、俺たちの前に角砂糖と一緒に差し出した。
「ぼっろい建物ね。それに、従業員がいないじゃない」
「こら、シロナ。お前が野良犬に噛まれてぎゃー狂犬病になっちゃったわー、っていう恥ずかしい話全部話すぞ」
「……ごめんなさいソーイチさん」
シロナはしゅんとなる。本当にちょろい。
メイベルさんは苦笑し。
「無理ないんです。私が闇金に手を出してから、助手はみんな辞めて行ったんですから」
「それはそれは。ってちょっと待って。闇金?」
シロナは闇金ってなーに? っていう感じの顔で目を点にしておれの方をまじまじと見ているが、あえて無視した。気高い(笑)天使には無駄な知識だ。
「その……10日で5割って、法定金利ですよね……? 私よく知識がなくて、その闇金の方の説明がすごく丁寧で親切で、一日で3割吹っ掛けてくる奴もいるんですよーっておっしゃたんで……」
「トゴじゃねーか!?」
説明しよう!
トゴとは、闇金ウシジマくんなどの漫画にも出てくる闇金用語で、とどのつまり10日で5割の利息がついてくる、地球を離れて見下ろしても俺たちが知っているように青かったという話ぐらいの違法金利で、法定金利なわけがないのである。
さすが幸薄体質。幸薄体質独特の、「人の言うことを疑うのは失礼だ」という理念で動く模範的な女性だ。
「ど、どーすんですか!? で、負債総額は今おいくらで!?」
「約257万ラルクです」
仰天した。ラルクって円より貨幣価値高いんですよ? よく知らんけど。
「そんな大金、どうやって払ってるんですか?」
「…………体で……と、言えばいいのでしょうか」
俺はトマトジュースをこぼしたかのように鼻血をシャツにまみれさせた。
「絶対に許せません、このピストルで撃ってやりましょう。俺のメイベルさんに手を出すふてえ野郎は絶対に許さない!」
「とりあえずティッシュを……それに、着替えている最中に失礼したんですが、もうあなたのピストルに弾は入っていませんでしたよ。あっ……すみません、職業柄、人のものを物色するのが好きなものでして」
なんですとー!?
「債権者はもうすぐ来ます……でも、あなたたちの分は借金で賃金を払いますから、安心してうちで働いてください」
もうすぐ来る? 上等だ! 1話でも触れたが、俺は腕っぷしには自信がある。ややこしいことになるのは百も承知、しかし可憐な女性が困っているのを放っておくのは男として失格。出てこいやぁ!
そして、ドアがけ破られた。
「来やがったな!? いいか? 闇金は犯罪だ。てめえをとっちめて憲兵に突き出し、全額帳消しにしてや……え……?」
目の前にいたのは、美少女でした。
頭に猫の帽子を被り、ブレザーを着てネクタイを胸もとに結び、ぺろぺろキャンディーを舐めている、人畜無害のロリっ子。
だが、それを見ているメイベルさんは、がたがた震えて所長質の椅子に隠れている。
え、まじすか?
このロリっ子が債権者?
「ほーう。客かい。幸薄体質のあんたにしちゃ、ようやくツキが回ってきたもんだね。おっと自己紹介が遅れたね。客人。あたしはミハル。こいつの債権者で、悪魔さ」
あく……ま?
「とりあえず、今日もビデオを撮る依頼が来てる。今日もここで撮るよ。なんか、ウチのケツ持ちは、例のプールとかで撮るより、この事務所で撮るのがそそられるんだとさ」
まさか、AV撮影?
「てめえこらロリっ子! なんだかようわからんが、メイベルさんには恥ずかしい思いをさせねえ。俺はこれでも元マフィアだ。女だろうが、債権を放棄しない限りてめえのドダマカチ割ってやる!」
「少年、悪いがお前には、メイベルさんの相手役を演じてもらう」
「よろこんでお引き受けします」
メイベルさんは給湯室で着替えさせられ、出て来た途端、俺のムスコは一気に固くなった。
マイクロビキニを着て恥じらうメイベルさん。エロい体つきをしていて、恥じらって顔を紅潮させているのがそそられる。
そして俺がその相手役なんだが……当然モザイクはかかるよな? 包茎だってこと、正直ばれたくないんだが。
とかなんとか妄想を頭の中で巡らしていると。
「はい、これ、台本」
と、ミハルというロリ悪魔から渡された。
さらに、俺には何故かバナナが。
「期待した? 残念だけどこの娘に撮らせんのはイメージビデオね。顧客のケツ持ちがさ、妙に律儀で、こんな華麗な女が他の男に抱かれるのなんて見たくないからとっとと連れて来いってうるせぇんだわ。一応あたしはカタギだから、客をそう手放すような真似はせず、イメージビデオをエサにしてんだけど、まあ売れるわ売れるわ」
だはははは、と笑うミハル。
なんか釈然としないが、いろんな意味で安心した。
そして、撮影スタート。
椅子に座ったメイベルさんが、長い髪を顔を赤らめながら手でくしあげ、そしてデスクの上に爆乳を乗せて谷間をアピール。
ヤヴァイ。これだけでも三日は抜ける。普段のメイベルさんを知ってるからなおさら。
そして俺の元に来て。
俺はぎこちなく、普通のビデオの男優っぽく。
「いやぁ、リサリサちゃん可愛いねぇ。年は?」
「……25です」
リサリサというのは芸名らしい。
「その……悪いんだけど、スリーサイズ教えてくれる?」
「……B92、W65、H88です……」
「へー、おっぱいでかいねぇ……」
「好きなブラが……買えないんです、可愛いブラがなくって……」
完全にAVに近いやりとりの撮影。正直ムラムラが止まらなくて、射精しそう。
ミハルは、よだれをだらだら垂らしながら、目を$のマークにして、カメラを向けている。
「それじゃあ、今日はこのバナナを食べてもらおうかな?」
「バナナ……ですか?」
「嫌いかな?」
「いえ……好きです」
「悪いんだけど……ちょっと、エッチに食べてみてくれないかな?」
「はい……」
メイベルさんは、細い指で俺が向けているバナナの皮をむき始めた。そして出て来た先端をそっと加えた。
「んっ……んんっ……」
メイベルさんは、ぶっちゃけちゃうとフェラ〇オの体で、バナナを上下にピストンしたり、先端を下で舐め回すようにして味わった。
ヤヴァイ、さっきから股間が痛い。
「んぐっ、んぐっ……」
そこでミハルは、パチンと指を出し、白いアイスの棒を用意した。
おい、こんな展開台本になかったぞ。まあ、ご褒美DAKEDONA!
「そ、それじゃあ今度はこのアイスを……」
「はい……」
「できれば……その……こう、身体を反って食べてくれる?」
「はい……」
メイベルさんはアイスの棒を受け取ると、やはり下でちろちろ舐めてから、上目遣いで棒を指でしごきながら、ピストンして食べる。すると白いアイスの溶けた液体が、彼女の谷間に滴り落ちる。
ザーメン? いいえ? アイスです。
「んちゅ……ぺろぺろ……じゅぱっ……んんっ……」
アカン、コレあかんやつや。完全にフェラ〇オやわ。
「……最後のお願いだけど、胸に挟んで食べてくれないかな?」
「……はい」
意味不明なお願いにも応じ、「冷たい……」と可愛い声で言い、アイスを胸に挟んで先端をちろちろなめ、しゃぶった。
「れろれろれろ……じゅぷぷっ……ぺろぺろ……んぐんぐ……」
メイベルさんの胸は、白い液でまっしろになった。
本当に、ごちそうさまでした!
「もうお腹、いっぱいです……」
「そうだね、じゃあ、最後に視聴者の皆さんに、メッセージを」
「……いっぱいいっぱい、リサリサを味わってね?」
「はーい、カットォ!」
ミハルがそう言うと、メイベルさんはソファにしがみついて恥ずかしさのあまり号泣した。シロナが優しく宥め、ちらちらと俺の方に軽蔑しきった眼差しを送ってくる。
いやさ、俺も調子に乗ったとこはあるけどさ。
「あんたセンスあるね! 気に入った! ギャラを払うよ」
そうしてミハルは、10ラルク紙幣を5枚渡した。
「こんだけ?」
「常識だろ? こういう業界では、男優は女優の10分の1の給料ってのが常識なんだよ。いい思いして金がもらえるんだから、ありがたく思いなよね」
くっ……反論できねぇ……。
そうしてメイベルさんは着替え、俺のことをちょっと警戒し、距離を置きつつ(けっこう傷ついてるんだが)、
「とりあえず、あなたたちをうちで雇うことにします。そして、ソーイチさん」
メイベルさんは紅茶を飲み、
「あなたには働いてもらいながら、魔導学院に入るための受験勉強を私にレクチャーさせていただきます」
あー……そうでしたね。俺、魔法使いになるんだった。童貞とかそういう意味じゃなくて。
獲得ジェム 5個/500000000個
メイベルの借金 残り242万ラルク(ビデオの収益見込みで)