ひよこさんがたんどくでげきはしちゃいました(あ~ヤバい、ちょい待ちソレをもう持ってるの![一真、焦りまくる])
その突進は以前の頭をカチ割ってくれた時とは比べ物にならないくらい速いが、今回は動きを封じる物は無い。
落ち着いて懐からぴよぴよ丸を取り出し鞘から抜かないまま左手に装備すると左前半身に構えてポール(よく分からんもの憑き)を迎え撃つ用意を整える。
「アァァァァァーーーー!」
突っ込んでくる素体は所詮は低レベルの商人でしか無く、幾ら強化されていようがこれまでに会った戦闘系のNPCに比べれば大した事は無い。
包丁は料理に使う物であって人を刺す物じゃねぇんだよ!
俺は突進してくるポールにカウンターの要領で包丁を握っている右手の親指をピンポイントで狙って打つ。
「グァァァーー!」
包丁を落としてその場で右手を抑えて止まるポール。俺はぴよぴよ丸を腰に差しながら右足を一歩踏み出してポールの頭を掴む。
そのまま『変装』トランス『逃鶏の装い』からの『癒しの手』発動。ポールのHPバーが問答無用でガリガリと削れてレッドゾーンに突入した時
「チッ、使えないヤツ!まさかクソネコは兎も角、羽虫すらやれないなんて!まあ良いさ、そのまま善良の市民を殺した犯罪者として生きると良いさ」
ポールの体から離れた靄から黒猫さんが倒した筈『御遣い(笑)』の声が聞こえる。
うん、やっぱりお前のせいか。お前みたいなヤツが安全策も取らずに黒猫さんクラスの敵の前に出てくる訳無いよな。でも弱ってるお前の思う通りになると思うなよ。お前との戦いでは今まで以上にレベル差があった筈なのにレベルが一切上がっていなかった代わりに二つのスキルを得たんだよ。先ずはその一つをお披露目しようか。
「『反転』!」
緑色の光を放っていた右手が俺のスキルコールによって変質して行く。緑の光は黒くなって効果も叫んだ通り反転する。これが本来のダメージヒール改変スキル『蝕みの手』。
但し、俺のMIDがマイナスの為、効果は逆転して究極の回復技になってしまっているけどね。ポールのHPバーが即座にフルチャージされただけでなく状態異常まで完全になくなる。
流石にメリルちゃんのお父さんを殺す訳にはいかなかったから試してみたけど、ぶっつけ本番で使ったスキルなのに成功して良かったぜ。
「な、何をした!」
煩いのにはさっさとご退場願おうか。もうひとつのスキルを使うには条件が足りていないが些細な事だ。もう一度『反転』を使い、今度はHPとMPを反転させてMPを完全に回復させてHPをレッドゾーンまで持っていく。はい、これで条件は整った。
「『浄火』」
これがあの卑怯者との後に習得していたもう一つのスキル。殲滅スキルのひとつらしいコイツは現状では詳しい事は全く閲覧出来ない、強力なスキルだけあって連発は出来ない、使用後は反動で行動出来ないの無い無いづくしだ。習得条件も幾つかは分かっていないし、『反転』が無ければ条件満たせない最終手段だがエクスターには特効らしいからほら
「あぁ、は、羽虫如きに滅ぼされるなんてあり得な…」
はい、終了しました。あ、靄の消滅と共に何かが胸の水晶に吸収された。じゃあ、後はよろしく。




