しすたーさんのおねがいきゃとる(フラグをスルーして寺院へ向かう)
寺院へと向かう途中、前髪パッツンの駄目イド猫が形振り構わず路地裏をゴミ箱を蹴飛ばし駆け抜ける。その後を白いネコミミフードを先頭に黒いネコミミフードの集団が音も立てずに追い掛けるのを見たが無視だ無視!シスターケイティが何か言いたそうだったので
「あの人達は同じクランに所属している渡り人達です。恐らくは市街地での追跡訓練でもしているのでしょう」
そう言って誤魔化しておく。あの駄目イド、三毛猫さんや白猫さん達の怒りのストライクを積み重ねて、ついに本日のあの黒猫のぬいぐるみの件でスリーアウトチェンジで制裁がスタートしたって事なんだろう。三毛猫さんは恐らくはあの駄目イドの事を試していたから今日まで小言程度で済ませていたのに勘違いした駄目イドがやりたい放題やった結果がこれか。関わらずにおくのがベストだ。あのぷちって駄目イドに恩は感じなかったから助けてやる義理は無い。
他にもシスターケイティの懐から手紙を掏摸取ろうした阿呆を然り気なく位置を入れ替わり衛兵にパスしたり、彼女が子供達にせがまれて遊び相手になってなんか無いんだからね!
「はぁ、漸く着いたか」
寺院の門を潜って一息ついているところに
「やあひよこの渡り人、ここしばらく見なかったのにまた街中で事故で死にかけたのかい?だったら向こうに居る尼僧に聖水を貰ってから行きな」
「小僧正殿、今回は違うよ。神殿から使者様の案内兼護衛ってお仕事だよ。シスターケイティ、こちらの小僧正殿がこの街の寺院の僧兵の責任者だから手紙を渡してしまおうか」
「分かりましたケイ様。お初にお目にかかります小僧正様、神殿のシスターをしておりますケイティと申します。この度は神殿の助祭、ミシェーラより親書を預かって来ております。何卒お受け取り下さい」
「これはご丁寧にありがとうございます。私はイナバと申しますこれから宜しくお願いしますシスターケイティ。手紙はこの私が僧正様に渡してくるので少しお待ち頂けますか?恐らくは直ぐに返事を書いて頂けると思いますよ」
「どのくらい掛かりますか?ケイ様のご用事に差し支えがあるようでしたら先に教会に向かい親書をお渡し後にもう一度お伺い致したいと思います」
「どうなのだひよこ殿?」
おい、イナバのオッサン!そのニヤついた顔は何だ?張り倒してやりたいがこのオッサンは僧兵のトップにいる男、つまりはあの神官長ウィーグラフ並みの実力を持っている為不可能だ。
「そんなに遅くならなければ問題無い。シスターと一緒に尼さん達とお茶と羊羮でも食べながら待ってるよ」
「あの尼僧達が甘い物を差し出すとは思えんが好きに待っておれ」
馬鹿め、俺が食べるのはイナバのオッサンのとっておきの羊羮に決まってるだろう。既に尼さんにはサインは出しているから大丈夫だ。




