なぞのてきをさくっとたおす(おい、ちょっ待てよ!まだ試してみたいユニーク武器が……)
「巫山戯るのも大概にしろよ下等生物!ボクはお前が相手してきたザコとは比べ物にならない強さ持っているんだ。楽に死ねると思うなよ!」
そう言うとセイント(笑)は謎のオーラを迸らせ始める。が相対している黒猫さんは頭、耳の後ろ辺りを掻こうとして手が届かずに溜息をつく。
まぁ体がぬいぐるみだから頭はデッカイし、手足短いから無理だよなぁ。
そこら辺を見渡して何も無かったようで俯き視線が下がった時、右手に持っていた物に気付く。おそるおそるソレを掻きたかったであろうポイントに当てて擦り付ける。その瞬間、ピクンッと背筋が震えたと思ったら勢いよくカリカリと掻き始める。それは完璧に目の前の敵を忘れるくらい夢中で色々な部分をカリカリとやっている。
そんな事をやっていては当然敵さんはブチキレて猛然と襲い掛かって来る。それを待っていましたとばかりにあろんだいとを構える。左手にハリセンを持って相手に向けると右手で左手をクイクイッと引っ張るそのルーティンはまさか!
一度こちらを流し目で見てから突っ込んで来るセイントの顔面めがけてバットに魔力を注ぎ込んで蒼白く輝かせながら振り子打法で御遣いを打ち抜く黒猫さん。その某メジャーリーガーばりの流し打ちでHPの半分を削り去る大ダメージと共に此方に似非天使を飛ばして来る。おい、コレがやりたくて後ろに回り込めと言ったな?でもその後離脱しろって何でだろう?
考えても仕方ない。俺の仕事はこのえくすかりばーで飛んでくるアレの背中に突きを入れたら即離脱だ。そう言えば魔力を流せば光るんだっけ?一応真似してやっておくか。
「グウァアアアー!は、羽虫如きがボクにダメージを負わせるだとフザケルナー!」
俺の攻撃でも多少のダメージが入ったのでお馬鹿さんが此方を振り向き、今一番目を離すべきではないモノから目を離した。
そして、その隙を突いて黒猫さんが取り出したのは銃剣付きのボルトアクションのライフルだった。
明らかにアレはヤバいと思させるソレの照準を御遣いの胸に合わす黒猫さんの動きは滑らかで一切の淀みが無い。まるで長年使い慣れた相棒の様にソレを扱う姿から元はFPSを主体にやっていたのかな?
「そんなオモチャがボクに通じる訳が無いだろうが!
先ずは羽虫をツブス!
その後で四肢を捥いでジワジワとコロシてやるぞクソネコォォォォ!」
黒猫さんの動きに気づいたセイントはそれを無視して俺を追う。
黒猫さんは無言で落ちるように引き金を引くと蒼白い炎の様なオーラを纏った弾丸が御遣いの着弾点である胸の中央よりやや左側、人の心臓が在る部分を中心に抉り取る。
「本当にお前達はワンパターンだよな。お陰で影絃で縛った意味が全く……ない事もないか。ケイくんが無傷のお陰で完全勝利だからボーナスが付くもんな。俺としてはもう少しコレクションで遊びたかったけどまあいいか」
そう言いながら頭だけになったセイントに近付いて行く黒猫さん。




