ひよこせんせいのおりょうりきょうしつ(妹よ、流石に不器用過ぎやしないか?)
「本日メニューはこちら、ルルドの秘薬です!」
「です!」
完璧に料理番組のノリでやっていますケイです。こうでもしないとやってられない。メリルちゃんは何が面白いのか分からないが俺の真似をして楽しそうだ。
「あの先生?これは一体どういう事なんでしょうか?」
「前掛の事?なんかね、アバター外装はオッケーみたいだから雰囲気作りの為に借りた。本当なら白衣の方が良いんだけどこの際、コレでいこうと思ってさ」
「いや、そうじゃなくてどうして料理番組風なんですか?」
「いやね、このクエストを作ったクソ野郎に付き合って真面目にするのが馬鹿らしくなった。
どうせ調薬って言ってもこんなの料理の延長みたいなモノなんだからってはっちゃけてみた。
よしメリルちゃん、さっきの続きだ。今回の助手はMANATOくんとAkiさんです。はい、拍手~」
「わぁーパチパチパチー。」
「お、俺もやるのか?」
「そうだよ。思いっきり巫山戯ながらやって最高品質の薬を生み出すんだよ!」
「お、おぅ。何だか随分ストレスが溜まっている様子だが大丈夫か?」
「ハッハッハ、この性格の悪いクエスト中に俺が何度死に戻ったと思う?
もう最後の方はシスターさん達が内緒で聖水をタダでそっと渡してくれるくらいだよ!ハッハッハ」
「わ、分かったから。うん、手伝うから落ち着け!
これが夜一の言っていたユニーククエスト終盤のノリか。
製作者の真意が見えてくるとテンションがおかしくなると聞いていたがこれほどとはな」
「はい、では先ずは各材料の下ごしらえからやっていきましょうー!」
「しょー!」
「最初はオレンシアの果汁を絞ります。比較の為に皮を剥いて絞った物がと皮付きで絞った物を用意します。それぞれ適当に切れ目を入れてと、さあAkiさんは皮付きの方をお願いしますね」
「は、はぁ~」
Akiがオレンシアの果実をいとも簡単に握り潰す。ボウルにはぐっちゃぐちゃになったオレンシアの果実がある。
「はい、失敗ですね。ではメリルちゃんに皮を剥いた物をやってもらいますからその後に手を洗って再チャレンジですよ」
「え?え?」
「メリルがんばる!」
何がいけなかったのかさっぱりのAkiを他所に幼女はやる気満々だ。
「いやいや、妹よ。流石に素手でリンゴ程度なら圧搾出来るからってそのままは無いだろう。何のためにサラシやらボウルが二つ置いてあるか考えろ」
「じゃあ、メリルちゃん。先ずは切れ目を入れたオレンシアの果実をサラシの真ん中に置いてキャンディみたいに包みます」
「うんしょ、うんしょ、できたー!」
「はい、よく出来ました。次にその包みをボウルに入れて更にもう一つのボウルを重ねたらぎゅっぎゅって体重を掛けて潰します」
「ぎゅっぎゅっ!」
「そろそろ良いよ。さあMANATOくんその包みを雑巾絞りで残りの果汁を絞り取るのだ!」
「お、おぅ。な、なるほど、俺は幼女では難しいところをやる役なのだな」
「ではAkiさん、同じ要領で残りをお願いするよ」
「え?で、でもこれ結構量があるんですけど?」
「他にも病気で苦しんでいる人がいるそうだから黙ってやる。良いね?」
「あっはい」
テンションが壊れ気味に上がっているユニーククエスト挑戦者に逆らうのが難しいことを身をもって知ったAkiであった。




